うだつの上がらないサラリーマンが、ある日“ビッグチャンスを呼び込む下駄”を手に入れる物語。「あーしたてんきになあれ」と放り投げ、表が出れば良い転機が、裏が出れば悪い転機が訪れるという不思議な下駄。はじめのうち、主人公は夢中で表を出そうと下駄を放り続けます。けれど、あるときを境に、彼は下駄を投げるのをやめてしまうのです。一見、彼は成長したかのようにも見えるのですが──果たして、その先に待つ結末とは?こうした言葉遊びの妙が光る作品、私は大好きです。面白かったです。
ビッグチャンスを呼び込むという下駄を手に入れた主人公。下駄を放った後、表になるか裏になるかで良いチャンス家具灰汁に悪いことが起こります。その辺の悲喜こもごもした描写も楽しかったのですが、何よりもラストのオチが秀逸で良かったです。
このお話は、「あーしたてんきになあれ」と願うという、誰もが一度はしたことのあることを題材にしています。最後の終わり方がとても素晴らしくて、思わず「うまい!」と言ってしまいました。読んでいて、心がすっきりするような満足感を感じました。大人になった今、この話を読み返すと、また違った感覚が浮かんでくるかもしれません。ぜひ、読んでみてください!