青春の群像(第3部)48 朝廷から何か面白い物を作つくっれと言う依頼があり、甚五郎に作るように平次が言ったので、一晩かかって竹筒と水仙の蕾み作ったそうなんだ、なんのへんてつもない


青春の群像(第3部)48


朝廷から何か面白い物を作つくっれと言う依頼があり、甚五郎に作るように平次が言ったので、一晩かかって竹筒と水仙の蕾み作ったそうなんだ、なんのへんてつもない竹筒には入っ、

た水仙の蕾みを見て、親方の平次はこれは素晴らしい物だ、わしはもうお前に教える事はないとうなったそうなんだ、平次が朝廷に持参して差し出すと、関白がこれは何だと言うので、

水仙の蕾みにございます、


これはタダの水仙の蕾みでは御座いません、竹筒に水を入れ一晩置いてくださりませと言うので、そうか、朝には素晴らしき良い物を見る事ができるのかと聞くのでご明察の通りに御座、

いますと言って、禁裏をさがったそうなんだ、関白は家来に言って竹筒に水を入れ床の間に置いて、朝起きて見に行くと、竹筒に入った水仙の蕾みが見事に開き、それは本物の水仙が咲、

いているような素晴らしさだったそうなんだよ、


そこで腕を認めて甚五郎に左冠の官位を与えたそうなんだ、それから左甚五郎と名乗るようになり朝廷から沢山の褒美を貰ったので、平次が50両(今の価値で1000万円)を渡し、江戸に行、

き見聞を広めるようにいって送り出したのだよ、左甚五郎はゆっくりと東海道を下っていき、あっちで遊び、こっちで遊んで、小田原宿に辿り着いた時は無一文になっていたんだって、


旅籠の客引きが通る人に声をかけるが、みすぼらしい格好をした左甚五郎にはだれも声をかけず、まいったなあと思っていると、甚五郎の懐が膨らんでいる事に目をつけた、一軒の旅籠、

の主人が、どうぞお泊りくださいと声をかけたので、これ幸いと旅籠に入り、泊っても良いが、わしは酒が好きで朝1升昼1升夜1升(そんなに飲めるはずがないと笑いを誘う)必要だがと、

言うと、幾らでものんでくださいと返事するので、


もう一つは一々勘定を払うのは面倒だ長逗留になるが、帰るときで払いはいいのかと言うと、結構ですと言うので、わかったそれなら逗留しょう、出来るだけ静かな部屋にしておくれと、

言うと、二階の奥の部屋に案内したそうだ、それから毎日酒を飲み部屋でゴロゴロしていたそうなんだが、5日たった時に女将さんが、毎日ゴロゴロして酒を飲み、美味い肴を食べて、

いる、


あの身なりで本当に金をもっているのかと主人に言って、今日までの泊り代を払って貰うわうに掛け合っておくれと、うるさく言うので、仕方なく甚五郎の元に行き、出立つの時で良い、

と言いましたが、もう5日になりました、この辺で一つ宿賃を今日の分まで払っていただきませんかと言うので、甚五郎がそろそろ言ってくる頃だと思っていたんだが、金はないよと言、

うと、


あの懐にはいっていたのは金ではないんですかと言うと、あれはと大ノミ、小ノミ、木鎚を見せてこれだよと言ったそうなんだ、あんたの仕事はと聞くと、これを使うのは大工だろうと、

言うと、それなら、その分大工仕事をして払っておくれと言うので、ちゃんと払うから心配するな、うらに竹やぶがあるが、あれは主人の持ち物かと聞くのでそうだがと言うと、それな、

ら、


良く切れるのこぎりをもってきなさい、あの竹やぶで宿賃を払う算段をしょうと言うと、冗談じゃないあんな処で私をバラ、バラにするつもりかと言うと、そんな事するはずはないと言、

うので、主人がついていくと、そこの竹とこの竹にそこのちいさな竹を三尺ばかり切っておくれと言うので、切るとそれを私の部屋にはこんでおくれと言うので、部屋に運ぶと、これか、

ら仕事をするんで、


決して覗かないようにと言うので、まさか貴方は鶴ではないでしょうねと主人が言うので、いや、鶴ではないよ、ほら、羽は生えていないだろうと上をはだけて見せたのです、主人が、

下に降りて行くと、甚五郎はコツ、コツと竹細工を始めて、朝方になり下に降りて主人に出来たよと言うので、部屋に入ると竹筒に入った物を見せるので、これは何ですかと聞くと、

竹筒に入った水仙の蕾みだと言って、


これに水を入れて店の前にかけておけば、必ず買い手が現れると言うと、へえ、いったいいくらと書いておけばと聞くので、指を2本出すので20文ですかと聞くので、いや200両だと言、

うので、何を言っているんだ、こんなもんを誰が200両で買うもんかと言うと、まあ、騙されたと思っ言う通りにしておくれと言うので、ブツ、ブツ言いなが持って下に降り、水を入、

れて店の軒下にぶら下げたのだそうだ、


昼過ぎると下にー、下にーと九州は熊本の細川越中の守の大名行列が通りかかり、殿様が籠の中から軒下にかかっている水仙の蕾みを見つけて、あれはと言って通りすぎて本陣に入った、

のです、殿様は用人をよんで先ほどの旅籠にかけてあった水仙の置物を求めてまいれと言うので、又殿の物好きが始まったと思い、用人が承知しましたと言って本陣を出て旅籠に行き、

誰かおらんかと声をかけると、


主人がいらっしゃいませと言うと、あれにかかっている、置物を求めたいがいくらだと聞くと、指を二本だすので、二両かと言うといいえと首を振るので、二十両かそれは高いと言うと、

いいえ200両ですと言うと、なにお~わしをバカにするのかと刀に手をかけるので、私が言ったのではなく、これを作った人が言ったのですと平伏すると、こんな物が誰が買うかと怒っ、

て、店を出て行ったそうなんだ、


主人が甚五郎にあんたが200両なんて言うもんだから、危うく首を切られるところだったと言うと、心配しなさんなもう一度必ず買いにくるよと笑ったそうなんだ、用人が本陣に帰ると、

殿様が求めてきたかと聞くので、あんな物を200両なんと言っています、不届きなやからですと言うので、ばか者あれは先ごろ左冠を朝廷から頂いた、左甚五郎の作りしものだ、あれは、

京都の関白邸に一体しかないものだ、


2000両でも安いものだ、早く買い求めてまいれ、もし、売り切れていたらお前は切腹じあと言われて、驚いた用人は慌てて旅籠にとって返すと、軒下には何もありません、主人が奥に、

引っ込めたのです、用人があれはどうしたんだと聞いて、200両で買い求めると言うと、それが今は300両なんでと、さつき怒られた仕返しに100両上乗せしたのです、何と直ぐに値上

がりしたのかと聞くので、


怒られるたびに値が上がるのですと主人が言うと、わかったと300両を置いたので、水仙の置物を渡したのです、用人が本陣にもって帰ると、殿様が喜びその床の間に置きよく見ていろ、

と言う、少しづつ蕾みが開き、やがて素晴らしい水仙の花になったのです、殿様がみろ見事な細工であろう、この竹筒の水は絶やしてはならんぞ、江戸城に登城して上様に献上すれば、

大喜びにになり、


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