第14話 魔法が使えない様ですが、それが何か問題でも?


 声を上げたのは、やはり騎士団長であり、数名の騎士が同調したようだ。


ノリトは、王とアイギスへと視線を向け、目礼した後、騎士団長へと向き直り言葉を告げる。

「そうですねぇ…… 俺は・・魔法が使えない様ですが、それが何か問題でも? 」


「当たり前であろう! 二人とも、能無しで何をすると言うのだ! 」

「役に立たぬ者に、無駄飯食わせる理由が何処にあるというのだ! 」

「大体が…… あれだけ大層な事を言って、能無しですかっ! 」

「能無しで我らに敵うと本当に思っているのか?  」

「聞こえぬのか? さっさと答えろ!! 」


ノリトは疑問に思ったのだ、何が彼らをそう・・させるのか? 

何かあるのだろうとは薄々感じてはいるのだが、今は・・調べる術が無い。

後回しにしようと、その思考を意識の外へと追いやる。


『……もう、 』

王が声を上げると同時にノリトが遮った


「では、模擬戦闘をしませんか? 

そうですね、ミオはやめておきましょうか。

女となど戦えぬと、逃げられても・・・・・・困りますしね 

相手は、俺と・・言う事でどうです? 」

王とアイギスへ向き直る


「ゲオルグ陛下、模擬戦闘を行なう御許可を頂けますでしょうか。

能無し・・・である、我々がどの様な戦いをするのか、御興味は御座いませんか? 

それに、我々の有用性を御披露させて頂けると有難いのですが 」

ノリトは王の前で方膝をつき頭を垂れる、敬意を払った上で王の許可を待った。


『騎士団長、この様にノリト殿より申し出があった。

我が許可をする。 すぐに闘技場へ向かい支度をせよ!! 

神官長、すぐにその様に手配を致せ! 』


「へ、陛下……? 」

騎士団長はこうなるとは予想していなかったのか、一瞬言葉に詰まる。


『なんだ? よもや受けぬと申すわけではあるまいな!!

あれだけの啖呵を切ったのだ、騎士団としての矜持をみせよ 』


「……はっ 、仰せのままに

では失礼致します。

騎士団は闘技場へ移動せよ! 」

騎士団長達が移動を開始し、退出した。

それに同調するかのように、一部の魔法師たちも退出したのだった。


それを眺めてノリトは考える。

「(これは…… 思ったよりも根が深いのか? )」

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