第21話千本桜が初夏に突然に咲く
サトルからすれば、それは突然にやってきた。スマホが緑の点滅をしているので開けて見たら梨奈からのLINEであった。
[おつかれさまー。今日仕事終わったあとひまー?ちょっと飲みに行かない? 時間できたから誘ってみた]
まさに梨奈からのはじめての誘いにおどろきを隠せなかった。
どこで飲もうか思案したが、とりあえず"野菜雲"で飲むことにした。
カウンターでサトルと梨奈が飲んでいる。厨房はノブキさんとあおね店長だ。
梨奈はよく煙草を吸うのだが、その煙がたゆたってゆくように、なんとなく間歇的に揺らめくような会話であった。
「私、浮気する人っていけないと思うんだよね。」
「うん。」
「まさか絶賛浮気中?」
「そんなワケないよ。おれは絶対に浮気はしない。それは誓って言えるね。」
「そうだよね、私、妻子がいる人と付き合った事があって、向こうからすれば良いかもしれないけど、私からしたら"存在"になっちゃうじゃん。」
「うん。」
「誰かいい人いないかなー。」
サトルはビールをすこし飲んでその泡をみる。泡の向こうに視線を移す。厨房で誰かが注文したワインが置いてある。そしてそのワインの"コルク"が開けられているのをみているのだった。
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