(3)への応援コメント
さて幻想小説のファンタジー全開の今回、
専門の書き手らしいこともしましょう。
「起承転結」がはっきりしていて講評しやすいし。
ファンタジーはハイファンタジーとローファンタジーに分類される。
Wikiでは上橋菜穂子先生の作品世界をハイファンの典型としてますね。
(まぁ今更でしょうけど)
ローファンタジーの方が書きやすい?スタート地点が現実世界ですし、一般的にはそうかもしれません。
もっとも物語舞台は20世紀初頭のアメリカ(かな?)の寄宿舎と図書館という21世紀日本人から見るとほぼファンタジーです。現実世界との違いとは、ぬこが喋らないこと、妖精が飛んでこないこと…でしょうか。
ソフトな夢から、ディープな夢へ、というところでしょうか。
クトゥルフ神話が伝播しやすかったのはここらにもあるのかも。
怪奇と幻想をえがき、読み手に恐怖を届ける。現実という閾があるクトゥルフ神話はファンタジーとしても強い。
夢から醒めて夢、を小説で読むとインパクトを与えにくい。
閾、敷居でもいい、本作でそれは『回廊』と名付けられている。
第三話は起承転結がはっきりしている、と言ったが起と承の境はよくわからない。『回廊』の顕現にヴァリエーションがある。ベッドに落ちたのちょっとびっくり。しかし森の魔法使いの印象は淡い。ここで書き手が力を入れたかったのは妖精なのだろう。イギリスの妖精譚に出てきそうな蝶のような妖精……。
シルヴィアと訪ねる夜の図書館(が妖精の園に変貌する描写は魅惑的だ)シルフィード、エアリアル、ドライアド、ウィルオーウィスプ(これわかんない、光る凧なの?)ナイアド……各人本のページから抜け出してきたのか、元よりこのフィールドに棲むものか、不条理を力技で入れ込む妄想力の強さよ。この回の"転"に入ったところから猟犬が出てきて主人公が襲われる場面まで読ませるし、猟犬が弩弓(みたいなの?)に変形して襲ってくるのなんざベルセルクの狂戦士の鎧を思わせて好みだわ。
だが、この章のまとめというか落ちで、夢から夢にまた移行する。さらに夢だったオチなのか?一人称ランディのはずが九歳の自分とさらに十六歳の「彼」をどこかからか見ているという。。読み手を戸惑わせる。ローファンタジーにおいて、主人公の意識のありかは実はとても大事なのである。
それにシルヴィアは猫のままなの? どこで人間化したのだろうか、主人公と手をとりあってる。
作者からの返信
あははー!!講評ありがとうございます!!はい、妄想力です!!力技です!起承転結考えてません初出は実は10年前です!!!そして主人公の手を取ってるのはああ窓に窓にじゃなくてはるか前の作(そこで手記は途切れている
(4)への応援コメント
4話、この回で登場人物と世界(の終わらせ方-回廊の封鎖させ方)観がめっちゃ整理される。
サンセットさんの作家的良心・・というのも違うか、誠実さが全開となる感じ?
多く…作家はたった一人の自分を分割し登場人物を増やす傾向にある。確かに役割分担が上手くいくと世界もストーリーも客観的に見渡しやすくはなる。
しかしこの物語はゲド戦記する。主人公は幼君と16の少年、ヒロインも白と黒に分たれすごいのはこれが人型にも猫にも・・ついに鍵となる。どんどこ物理でも終熄するストーリーだった!これが整理し切れるとなかなか個性的な幻想譚になるのでは?私だったら二話ですでに黒のシルヴィア出しちゃいそう。あと森の魔法使いはあのまま?
作者からの返信
各話ごとにコメントいつも本当にありがとうございます!
このエピソードが良心と誠実さ全開なのだとしたら、それは物語と幻想に心奪われる、いつの時も「ここではないどこか」を切実に希求し続ける業(ゴウ)に対する誠実さと良心なのだと思います。
「16歳の日常になんか戻らない」と言い切るランディへの。
そういえば16歳の誕生日に、私が当時刊行されてたグインサーガを全部買い揃えられてないと知った友人が1冊ずつプレゼントしてくれて全巻揃えたんだった!
あっ、森の魔法使いはあのままです、今のところ…あっでもそうかーうん、いずれ鍵を解放するお話を書かないといけないわけだからそこへからめて(ブツブツブツ