帝都にて『華麗なる一族』とささやかれる……あるいは忌まれる西王子家に書生として、その三男たる光彦の家庭教師として仕える主人公。
旧友たる海軍士官より秘密裏に頼まれたのは、西王子家より宗教団体『光輝水星教』に関する書類を盗み出してほしいという任務だった。
その序章から、物語は突如として終章へ。
その狭間に、あるいは終章のあとに。何があったか、何が起こったか。ありえないはずの一族、ありえない屋敷、ありえない人物のその間に、ありえざる異界への鍵、異界への道がその名状しがたい青の画を描きだす……。
存在しない舞台に、存在し得ざる奇跡がその姿を現す。宇宙(コズム)を超えた妖しくも美しい幻画。