第12話びぼうのあおぞら

夜が明けた。雪のなか、一晩中歩いた。ほうき、まほうのじゅうたん、そういうのは、なし。

そらがくらい。

いかづち。雷鳴。

猫が、すがたを、消す。

雷鳴が、胸を打つ、うつくしい、少女の。

指輪が、あやしく、ふるえる。

銀の指輪が、ひかる。

悪霊。が、やってくる。そこらじゅうから。雪。

少女は、呪文をつぶやく。

悪霊が、消える。

しかしまた、蟻の大群にように、おしよせる。

蜜の香りにさそわれて、蟻たちが、おしよせる。ちからという、名称の、あまいみつ。

蛾が、火にとびこむように、悪魔たちが、やってくる。


呪文を唱えつづける。悪霊たちが、すすりなく。

雪がやむ。

湖畔。

木々にかこまれた。

悪魔に囲まれた、少女と小人。

みずうみを、わたる。

小舟が、氷を割りながら、すすむ。

雲が割れる。ひかりがさす。悪夢はさる。

あおぞら。

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