第27話 さらばへいげん! 法廷で会いましょう!

※へいげんラストです。途中までシリアス、そこから一転攻勢してギャグです。色々投げっぱなしで次のちほーへ行くのは伏線何だからね!? ……多分。




 夜中、ふとつなぎは目を覚ました。かなり疲れているはずなのに、どうしてか自然と起きてしまったのだ。


「zzz……オオカミ先生それはヤギじゃ無いですよ……」


 膝枕にして寝ていたアミメキリンが話すのはちょっと気になる寝言だが、それよりも何故目を覚ましたかの理由を探す。すると、ライオンの所で眠っているはずのちびレオが、ヘラジカの本拠地へと入っていく姿が見えた。


「何でこんな時間に……?」


 誰かが付き添っている様子も無い。その行動が気になり後を追いかける。


 やがて、彼女の足はかばん達が合戦の練習をした場所で止まった。奇しくも、そこはセルレオンがヘラジカに倒された場所であった。


 その場所とちびレオが元セルレオンであることを思いだし、何かを感じたつなぎは彼女に声をかけた。


「何を、やっているんですか?」


「ひゃっ!? び、びっくりした……ええと、あのね?」


 飛び上がった後、もじもじとするちびレオ。


「さよならを言いに来たの……」


「さよなら……?」


 彼女の後ろを見ると、小さな小さな黒い丸が、そこに転がっていた。その丸が、ぱちりと目を開く。


 恐らくは、サンドスター・ロウを持ったセルリアン。しかし、その存在は儚く今にも消えてしまいそうだった。


「これに、さよならを?」


「そうなの。夢の中で……来てくれって言われたから」


 よくわからないが、危険を引き起こすほどの力があるとは思えないため、静かに様子を見ることにした。


 ちびレオはそのセルリアンを手にのせ、じっとそれを見つめる。

 セルリアンの目が開き、ちびレオの心の中に声が響く。


(────良かった、セルリアンだからって問答無用に倒す連中じゃ無くて)


「うん、皆やさしいよ」


(お前は巻き込まれただけ……俺が宿った帽子の中にいた、サンドスターのきれいな欠片。死なせたくは無かったんだ)


「帽子?」


(あいつの言いなりは嫌だった……何か残したかった。本当に良かった、望んだ形になった)


 セルリアンは安堵の言葉を繰り返す。そして、その心の声はつなぎにも聞こえていた。


「あの……あなたは、どこから来たんですか?」


 その言葉を受けセルリアンは驚く。


(俺の声が聴こえる……? そんな、まさか、お前は……)


 見開いた目を閉じ、感慨深く呟く。


(そうか、そうか。俺は幸運だ。まだ、残せる物が増えるなんて……)


 そういってセルリアンはちびレオの方を見る。


(ちびレオって、言うんだな……安直な名前だ。でもフレンズらしくていいじゃねーか。いいか、ライオンとヘラジカの言うことをよく聞くんだぞ、俺はもう、ダメだからな……)


 そしてつなぎの方を向き直す。


(お前の名前はわかんねぇが、知りたがってたこと少し教えてやる。俺がどこから来たか。俺は、)


 セルリアンは、真剣につなぎを見つめている。


(この島に危機が訪れたとき、きっとそれはお前じゃなきゃ解決出来ない。だから、死ぬなよ)


 そう伝え終えた後、セルリアンは目を閉じた。

 その瞬間、何も無い空間から真っ黒な手が現れ、そのセルリアンを握り潰す。


「ああっ!?」


 ちびレオは叫び、逃がすまいと捕まえようとしたが、その手はすり抜けてしまった。


「そんな……さよならも、ありがとうも、言ってない……」


 その場にぺたり、と座り込んでしまう。しかし、彼女の手には何かが残っていた。


「あれ? 何かありますよ?」


 つなぎはその手にあるものを確認する。それは、白色の“ちびレオ“と書かれた名札であった。


「これは……」


「お姉ちゃん、なにこれ?」


 それはきっと、何かを残すことに執着したセルリアンが、最後の力で遺したものではないか。つなぎは自然とそうおもった。


「これには、あなたの名前が書いてあります。きっと、あのセルリアンがくれたもの。あなたが身につけてあげてください」


「分かった!」


 つなぎは、それを彼女の胸につけようとする。裏面が剥がしやすいシール見たいになっていて、何度もつけはずし出来る。無駄に高性能だ。だが、皺がよってしまって上手く貼れない。


「きゃはは、くすぐったいよお姉ちゃん!」


「ちょ、ちょっとあばれないで……」





「「何をやっているのですか!?」」


 その時、二人にバッとサーチライトの様な光里が当たる。


「わっ! な、何……?」


 つなぎは慌てて光の元を見る。そこには、白と茶色の鳥のフレンズが、こちらを懐中電灯で照らしていた。


「何……?はこちらのセリフなのです!」

「いたいけな子供を連れ出して、何をしようとしていたのですか!」


「何というか……迷子になっていたというか……」


「あーっ! ボディタッチ! ボディタッチしているのです!」

「YES ロリータ No タッチ! 世の中の常識なのですよ!」


「これはあれですね助手」

「ええ、博士……」


「「げんこうはんたいほーっ!!」」


 つなぎ容疑者、夜中に幼女にボディタッチしていた所を見つかり、現行犯逮捕。



「何々何の騒ぎ!?」


 ライオンからちびレオがいないと言われ、アミメキリンは手分けして探していた。

 眠りの浅いアミメキリン以外は起こしても疲れていて起きなかったが、何故かつなぎもいない。

 もしかしたら一緒にいるかも、と探しに来たところ、げんこうはんたいほ、という単語が聞こえ駆けつけたのだ。


「おや、いい所に来たのですポンコツ探偵」


「ポンコツじゃないわ!名探偵! あら、そこで縄で縛られてるのは……つなぎ!?」


 ちびレオもそこにいた。状況が飲み込めない顔である。


「こいつは夜の竹林で幼女にボディタッチをかましていたのです」

「擁護不可能です」


「つなぎが!? その子はそんな事する子じゃ……」


 毎晩私の膝枕で寝て、実はちょくちょく私のマフラーをまいては「アミメキリンさんの匂いがします……///」と言い、トキに抱きついて離さなかったり……


「……………………………………………………ないわ」


「めっちゃ躊躇ったのです、怪しいのです!」

「やはり連行やむなしですね、博士」


 そう言って二人はつなぎを抱え、飛び上がる。


「こいつにはとしょかんで裁判を受けてもらうのです」

「お前が一番こいつについて詳しいみたいなので、お前も来るのですよ」


「ちょっと待って! お姉ちゃんわるいことしてない!!」


 雲行きが怪しくなったのを察して、ちびレオが間に割り込む。


「たまたま迷子のお前を拾ったとしても、ボディタッチは許されざるのです」


「まぁこいつはヒトのようなので、あまり悪いようにはしないですよ。どちらにしろ聞きたいこともありますし」


 そう言って、二人はつなぎを持って立ち去ってしまった。


「お姉ちゃん……」


「あわわわわ……つなぎが逮捕されちゃった……あわわわわ」


 奇しくも、元々の旅の目的地であるとしょかんにすぐさま行くことになった二人。はたして、無罪を勝ち取る事が出来るのか……?



次回、しんりんちほー 「ゆうざい」 お楽しみに!










「あの、あれ放っといても大丈夫なのですか?」


 様子を見ていたオイナリサマは、遺跡の彼女にけもパシー(勝手に命名、けものプラズム100%の守護けもの達が使えるテレパシー)で問い掛ける。


「しまったなー…… こういうことを恐れて、ロスっちを呼んでおいたんだけど…… シヴァも含めてちょこっと間に合わなかったかー」


「その呼んだ者達って今どこら辺なのですか?」


「ゴコクの向こうの向こうのエリアだな」


 ちょこっと間に合わないとは何だったのか。


「まぁあの二人は賢いから、大丈夫だろ! そんなことよりオイナリ、お前こそどこ行ってたんだ……?」


「その事については、えっと、ちょっとギンギツネ達に会えてはしゃいでしまって……」


「それにしても長くなかったか? あと服、綺麗になってるな、作り直した?」


「はい…… 一から服を作り直してたので時間がかかりました……」


────────────────────────────


「オイナリサマ! 会えてとっても嬉しいです!」

「ボクも尊敬してます、ゲームください」

「こらっ、キタキツネ! 失礼でしょ!? ちゃんとご挨拶しなさい!」


「ふふふ、世代はかわっても二人は仲良しですね」


「あ、いやその……///」

「そうだよ、僕たち仲良し」


 キタキツネはギンギツネの背中にぴたりと寄り添っている。


「仲良きことは素晴らしい事です。所で、二人もお店を……?」


「はい。温泉にたくさんしまってあった、“どん兵衛“とかいうものを、カフェからお湯を借りて、ふっくらさせてだしているんです」

「大人気なんだよ」


「どん兵衛……?」


「はい、こちらです」


 そう言ってギンギツネが差し出したのは、丁度出来上がったどん兵衛のきつねうどんであった。


「こ、これは…………お揚げ!!!」


 オイナリサマは夢中になって油揚げにかぶりつく。うどんも交互にすすり、あっという間に完食してしまった。


「ああ、美味しかった。ご馳走さまです、ひさしぶりにヒトの食べ物を食べた気がします……」


「? よくわからないですけど、他にもまだありますよ」


 そう言ってギンギツネは天ぷらうどんや鴨そば等、様々な種類のどん兵衛を取り出した。


「なんとっ!? 全部いただきますっ!!」

「は、はいっ!」


 めちゃくちゃ食いぎみの反応であった。




「色々食べましたがこれが最後の一種類ですか」


「(オイナリサマめっちゃ食べる……)はい。これはとても良い匂いがして人気で……」


「ねぇギンギツネ、食べる前にオイナリサマにアレ、つけてもらわないと……」


「あ、そうね。オイナリサマ、少しまっててください。ギンギツネ、アレはどこかしら」

「こっちだよ……」


 二人はなにかを探しに行ってしまう。しかし、しばらく待っても帰ってこなかった。


「困りましたね、のびてしまいます」


 オイナリサマは10分どん兵衛はやらない派なので、一番美味しい食べ時を逃してしまうのは何だか嫌であった。


「まぁ、先に一口頂いてしまいましょう」


 そうして、蓋をペロリとめくる。なんともかぐわしい香りが食欲をそそる。


「うーん、良い香り……我慢できません! いただきますっ!!」

 

 待たされたせいもあり、オイナリサマは勢いよくうどんをすすった。




 そう、を勢いよくすすったのだ。


「あ! オイナリサマ、駄目ーー!!」

 丁度戻ってきたギンギツネが止めに入る。しかし、全ては遅かった。



ぴちょっ!




,───────────────────────────


「私もしんりんちほーに行きますが、その前に倒すべき最後の相手がいます」


 オイナリサマは、右手に紙エプロンを握りしめ力強く宣言した。

 そしてその戦いは、袖に汁が飛んでしまい二敗目を喫することとなってしまったのであった。





へいげんちほー アミメキリンとあれとそれとこれが今ならセットでけも割引 完

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