王様とお姫様

 お姫様が青い顔をして厠から出てきた。


「父上……どうしましょう……。わたくし、重い病をわずらったようです……」


 しかし、王様はむしろ喜んだ。


「姫よ、それはむしろめでたいこと。お前の亡き母もお前ぐらいの年に同じことをしたのじゃ」


「……ですが」


「案ずることはないぞ。準備はすでにできておる。後は召使いに任せて休んでおれ。何しろ十三年分の糞をひねり出したのだからな、ハッハッハッハ!」

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冒険者小噺 宇枝一夫 @kazuoueda

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