異世界のお菓子の呪い

 冒険者A

「異世界では、インキュバス淫魔に取り憑かれた女は、好き嫌いにかかわらず男に向かってお菓子の贈り物をするらしいぜ」


 冒険者B

「俺ならむしろ酒の方がいいんだが……でもよ、もし好かれたんなら悪い気はしねぇからありがたく頂くかもな」


 冒険者A

「だが、それを食べてしまったら最後、男はお菓子をくれた女に全財産つぎ込んで贈り物をする呪いに取りかれるんだと」


 冒険者B

「ふ、ふ~ん、で、そのお菓子ってのはどんなヤツなんだ?」


 冒険者A

「なんでも血を固めたような堅いお菓子で、でも食べるとすごい甘いみたいだぜ。さらにこの前、異世界から来た女が手当たり次第そのお菓子を野郎共に配っているみたいだから、お前も気をつけた方がいいぞ」


 冒険者B

「そ、そうか。わ、わるいけど今日の払いは立て替えてくれねぇかな? ち、ちょっと今、持ち合わせがなくてな……」

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