第44話 サロン

 場所はどこかの高級感漂う喫茶店。

 白が基調で花やら高価そうな置物やらセンスよく飾られている場所で促されるまま座っている。

 で、楚々と白髪染めをしていた。初体験だったので、指導係のお兄さんがついていた。櫛をこっちにこの角度で〜とか髪をやさしくうんぬんとか説明されるが、これまた難しくて悪戦苦闘。

 なんとか終わったけれど、最後に、このお兄さんがじっと顔を覗き込んできてワタシの髪を指ですくと良い声でささやいた。

「…お綺麗です」

 はあ。

 乙女回路が搭載されていない自分は目が点になった。

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