第10話 どんぐり
自分はちいさな子どもになっていた。
外から帰ってきたお兄ちゃんが「お土産だぞー」とどんぐりをくれた。
すごくうれしくて、でもよく見たら虫食いどんぐりだった。
泣いた。
お兄ちゃんは用事があると言ってそそくさと出ていった。
「どんぐりだぞ!」
声におどろいて泣き止んだ。
そこにはお兄ちゃんが立っていた。
袋いっぱいのどんぐりを目の前に置く。
こんなにたくさんのどんぐり、はじめて見た!
はしゃぐ自分の頭をお兄ちゃんはうれしそうに撫でた。
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