第43話 悪魔界

 サテナの故郷だという悪魔界に来たが、その悪魔界は俺の待ち望んだ異世界だった! テンション上がる俺と胸が邪魔で帰郷出来ないサテナ。そして巻き込まれた上に格差を見せつけられたアナ。これから俺たちはどうなったしまうのか!

「のか! のか、のか……」


「何をしてるんですか、小吉さん」

「小吉〜。早く行こうネ〜」

 …………。

「んでサテナ。お前の実家ってどこなんだ?」

 何もなかったことにするのが一番だ。

「ついてくればわかるからネ」

「ここが悪魔界ですかあ。物騒な所かと思っていましたが、普通に悪魔が生活してる所って感じですね」

「まあネ。世界大戦の終結と同時に悪魔界が隔離されて、どっちかと言えば平和になったネ」

「平和に、ねえ……」

 サテナに道案内をされながらそんな話をする。ついでに俺は、しばし疑問に思ってた事を尋ねてみる事にした。

「そう言えばさ。小町を倒したのはエドルなのに、何で俺を連れて来るんだ? 悪魔族の恨みを晴らしたのは、エドルじゃないか」

「それについては、また後でって感じだよネ」

「それにサテナさあ」

 これは結構前から気になっていた。

「語尾、前は「ヨ」だったよな?」

「………………」

「………………」

「ド、ドッチモアルカナー」

「お前本当は普通に喋れるんだろ」

 俺がそう言うと、サテナは泣き出してしまった。

「だってええ! 突然刀から現れたのが普通の女の子じゃつまらないじゃん! キャラ付け頑張ったんだよあたし!」

「いやいやいや! 悪魔っ子の時点で普通じゃないから! 十分キャラ立ってるから!」

 と、その言い争いに周囲の視線が向く。まずい。変な目で見られる。

 しかし周囲の反応は、俺の予想を斜め上に通り過ぎた。

「あれ? サテナ様じゃないか?」

「本当だ! サテナ様が帰って来た!」

「すぐ城に知らせろ!!」

 そしてサテナの反応も……。

「ま、まずい……」

 頭にある悪魔の触覚みたいなのがぴょこんと動いた。

「小吉! 逃げるヨ!」

「ちょ! ええ!?」

 サテナは俺を引っ張って走り出した。

 アナを置いて。

「サテナちゃん! 小吉さん!」


 ――――――


「ハア、ハア、ハア」

「な、何とか逃げ切った……」

 サテナに連れられた俺は、さっきまでの悪魔界っぽい街並みとは違い、ド田舎みたいな所に来ている。

「な、何だよ……。何で逃げたんだ?」

「あたしの正体が、小吉に知られたくなかったから」

「じゃあ何で悪魔界なんかに連れて来た? ここに連れて来るってことは、俺に正体がバレる可能性も十分あるじゃんか。お前は一体何者だ」

「…………」

 サテナはそのまま黙ってしまった。

「なあサテナ。俺が言うような言葉じゃないんだけどさ。仲間なんだから、そう言う嘘は良くないと思うんだよ。隠し事はあっても、正体を隠すってのは……、信頼し合えないだろ」

「……じゃあ……」

「?」

「じゃあ、小吉は、あたしがどんな存在でも受け入れられる?」

「……どういう意味だ?」

「あたしがただの悪魔じゃないとしても、あたしを刀として使役できる?」

 いやそれは……。

「もう、悪魔なんてだけでおかしいんだから、お前が実は悪魔界の女王様だーとかでも、全然受け入れるよ」

「……え?」

「え?」

 あれ? 俺なんか変な事言ったか? ……なろうかな?

「何で、小吉……」

「どうしたんだ?」

「何で、私の正体がわかったの?」

 ………………。

 え。

「ええええええええええ!?」

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