伊坂の母親-2
京子は、伊坂が入籍を知らせた翌日の午前中に、伊坂の部屋に電話をかけた。
伊坂は仕事に行っており、電話に出たのは理世だった。
京子は感じ良く挨拶をし、理世に、友里の入院先を訊いた。理世は「友里のことを心配してくれているのだろう」と思い、F総合病院にいること、状態はどうか、そして自分が毎日何時ごろ病院に行っているのかなどを、京子に伝えた。
その日の電話はそれで終わり、理世はいつも通りに家事を済ませ、午後の面会のために病院に出かけた。
理世が保育器の前に座って友里の頭とお尻を触っていると、看護師の千穂が嬉しそうな様子で声をかけてきた。
「おばあちゃん、今日いらっしゃる日だったんですね!」
理世は思わず立ち上がった。千穂の後ろに、嫣然と微笑む京子が立っていた。それが二人の初対面だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます