語りによって昔話が進められていくストーリー。闇の中でぱっと鮮やかな赤が浮かび上がってくるようなそんな文章です。特に最後の一言がぞくっとしますよ。
西洋では死の暗喩となるのは《黒》ですが、東洋においては《赤》ではないでしょうか。「美しいままに落ちた椿」「土に挿された風車」「燃えさかる旗」「投げだされた下駄の鼻緒」どれも《赤》の印象があります。…続きを読む
辺り一面紅に染まる彼岸花。近くの民宿からでも小一時間かかる場所に彼岸花の群生地があるという。群生地まで道案内をする傍ら、彼岸花について語り出す……。そもそも彼岸花とはどんなものか、これから…続きを読む
民宿の主人が観光客に昔話を語り聞かせる物語です。彼岸花の群生地、美しいその花畑には、陰惨な伝承が残っています。物語は民宿の主人の語りで進められていきますが、彼はどことなく楽しそう。確かに彼の言…続きを読む
桜の下には死体が埋まっている──梶井基次郎の短編小説の有名エピソードを引き合いに、読み手を深淵へと誘うホラー作品。短い文字数の中に散りばめられた、生への執着と死への畏怖。喰らふと云う欲望の根源…続きを読む
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