『rain』【PS3】

 みなさん、雨は好きですか?


 今回は、前回と打って変わって、とても癒されるゲーム、『rain』を紹介したいと思います。

 プレイしながらこれを書きましたが、今回はホント、『紹介』です。あんまり自分のアホなプレイをさらして雰囲気を壊したくないのです。


 私、CDとか本とかでもなんでも、いわゆるジャケ買いってしたことが本当に滅多になかったのですが、この作品のパッケージには一目惚れでした。


 どこかの雨の降る、夜の町の中。少年と少女が2人、どこか急ぐように歩いています。

 しかしその2人の姿は透明で、降る雨が彼らの体を打ち、透明な体を浮き上がらせているのです。

 雨に浮き上がるその体は、まるで光り輝いているようで、とても美しいのです。



 って、一目惚れしましたが、慎重派の私は一応中身を調べてから買いましたけどね(笑)

 プレイ時間は2、3時間くらいでしょうか。かなり短いのですが、しかしそれでも、本当に買ってよかった、出会えてよかった、と思える作品です。


 もともとはダウンロード版だけだったらしいのですが、人気が出て、パッケージ版も売り出されたらしいです。

 パッケージ版になってなかったらきっと、出会ってなかった作品なので、本当に幸運だったと思います。

 

  タイトル画面の雨の音を聞いてるだけでも癒されます。



 少年は、熱が下がったらサーカスに行くはずでした。

 外で雨が降り出します。


 外を見ると、透明の少女がいました。雨が彼女の姿を浮き上がらせています。

 二人は目が合いました。


 しかし、雨が浮き上がらせていたのは少女だけではありませんでした。

 異形の怪物が、少女を追っていたのです。


 逃げる少女。

 少年も雨の町に走り出し、少女を追いかけます。


 追いかけて、見つけた光の扉をくぐります。


 扉をくぐった先で、異形の怪物がいましたが、音を立ててしまい、振り返られてしまいました。

 しかし怪物には少年の姿が見えませんでした。


 少年の頭上には屋根があり、雨がさえぎられていました。少年の姿もまた、透明になっていたのです。

 怪物はまた少女を追いかけます。


 少年も、少女を助けなければと追いかけます。


 何とか逃げて、さっきくぐったのとはまた別の扉を閉め、怪物を足止めしたところから、自らプレイヤーがこの夜の街を歩いていくことになります。



 少年の身体能力は、自分の頭より少し高いところを登れる程度です。

 彼は普通の人間で、特殊な能力とかはありません。


 ただ、体が透明なだけ。

 雨がさえぎられるところでは姿が消え、姿が見えない状態でも、ずっと雨に濡れているので、微かに足跡がつき、水たまりなどに足を踏み入れるとバシャバシャと音が鳴り、その存在を実感できます。


 自分の姿が見えない、というのは心もとないですが、しかし、姿が見えるということは、敵に見つけられてしまうということ。


 少女を追いかけていた怪物とはまた別の敵が出現し、少年を追いかけてきます。

 そういうときは、雨を遮ってくれる物の下で、大人しくして、敵をやり過ごします。


 雨にうたれないのは安全だと思いましたがしかし、泥水に浸かってしまうと、雨にうたれなくても、姿が見えてしまいます。


 体についた泥は透明な水たまりに入ることで、落とすことができます。泥水に入ったら忘れずにきれいな水で洗い流しましょう。


 敵は、もろい壁や足場を壊してくることもあるので、高いところにいるからと油断していたら、足場が崩されて落下して、敵の餌食に……なんてこともあるので油断は禁物です。


  途中、敵から少女を助ける場面があります。

 しかしあるものを動かして助ける、といった形で、対面したわけではなかったので、透明な少年に少女は気づかず、行ってしまいます。


 アイテムを拾うと、アイテム欄はなく、そのまま手に持ちます。

 持つと、アイテムは透明ではないので、パッと見た感じ、そこに物が浮いている状態になります。それだと、そこに自分がいると敵に伝えているようなもの。

 しかし持っていかなければ進めない。そういう状況に陥ることもあります。


 そんなほど良い難易度の謎解きがちりばめられていますが、もし詰まってもセレクトでヒントがもらえます……が、私ヒント使ったことないので、仄めかす程度なのか、ほとんど答えなのか……とかの、どれほどのヒントなのかよくわかりません(笑)


 ところで、途中でゲームを中断してタイトル画面に戻ったのですが、タイトル画面は、自動セーブで今、プレイしているチャプターにちなんだ画像になるってことに気づきました。


 今これを書いている時点で、工場の入り口の前なのですが、工場の前……と文字だけで見たら、美しいところを想像しづらそうですが、それでも、降り続ける雨の中の建物は美しいです。 


 敵以外にも透明な生き物が出てきて、少しその生物に助けらることもあります。


 そうして進み、金網越しに、泣いている少女を見つけるのですが、その時は雨にうたれておらず、水たまりを蹴立てていた少年に、少女は、それが少年と気づかずに逃げてしまうのでした。


 少女を追いかけている怪物は、少年を見つけると少年のことも襲ってきます。その敵に見つからないように、襲われないように、どうやって姿を隠すか。怪物がすぐそこにいる状況で、どうやって見つからずにその場の道を開くか、と試行錯誤するのはなかなかにドキドキ物です。


 そして、ついに少女と少年はお互いの存在を認識することになります。

 しかしその時、またしても怪物が襲い掛かってきて、2人はバラバラになります。


 少女を逃がすことに成功し、少年も怪物を何とかやり過ごすと怪物はどこかに行ってしまいます。

 そのとき少年が進む道がなくて困っていると、少女が道を作ってくれました。


 まだ合流は叶いませんでしたが、この、彼女が協力してくれた瞬間が、たまらなく嬉しかったです。


 そのあとも、彼女は怪物に追われる少年を救ってくれたりと、手を貸してくれます。

 なんででしょうね。なんだか、涙がにじむほどに嬉しいんです。


 やがて、2人は合流します。

 少年はいろいろと訊きたいことがありましたが、しかし声が出ないようでした。少女も同様なようで、話ができません。


 しかし少女には目的地があるようで、少女が示す道を行くことになります。


 肩車をしたり、一方が敵の気をそらし、一方が道を開く、というような2人で協力していく謎解きが、本当に癒されます。


 敵もまた、大きい――なんだかトリケラトプスっぽい? 大きな敵や、小さいけれど大勢で、動くモノにまとわりついて、その生き物を仕留めてしまう、奇妙な生物が出てきたり。


 色々なタイプの敵が出てきますが、例の怪物もしつこく2人を追いかけてきます。


 恐ろしく感じる場面もありますが、素敵な音楽とマッチした、雨の町を歩くこのゲーム。本当に癒されるので、ぜひ、その手で触れて、動かして、体験してみてほしいです。


 今回は短いですが、この辺で終わらせていただきます。


 ゲームをやめる時、なんだか名残惜しくて、そのまま電源を切る気になれなくて、タイトル画面に戻るのですが、そのタイトル画面の雨の音がまたとんでもなく素敵で、とんでもなく名残惜しい……。


 ではまた、いつかのその時に。

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