森山 風雪

森山 風雪

『春』あとがき

 なんの面白みもない、言ってみればただの自己満足な小説。

 初めての作品を作り上げ、はじめから読み返したときの率直な感想である。

 文章は拙く、自分でもわからないような表現が随所に埋め込まれた、ある意味難解な坂品へと仕上がった。

 ひょんなことから締め切り間際に高校生対象のコンテストを知り、急いで書き上げた作品である『春』。


(以下ネタバレを含みます)


 思春期真っ只中の彼が借りた一本のペンから緩やかに物語が展開される本作品は、実は私のような若者に向けたものではない。どちらかといえば年を重ね、ふとこの小説を見返したときに、そういえばこんな時期もあったなぁ、とビールを片手にスルメでも頬張りながら高校生を懐かしめるように作ったつもりである。

 登場人物にはあえて名前を与えることはしなかった。これは読者の方々に自分自身を重ねて物語を楽しんでもらえたら、という思いからである。『彼』『彼女』そして『母』と思春期の少年を取り巻く人は様々である。思春期の少年当人に重ね合わせても、淡い想いを秘めた少女に重ね合わせても、思春期の息子に手を焼く親に重ね合わせても、それぞれ違った物語が得られるかもしれない。

 また、『春』を読んでいただくにあたり、意味のないような描写でも、何かしらの意味が込められているものがほとんどであることを承知いただきたい。何を言いたいのか全くわからない描写が殆どであるが、私の表現せんとしていることを、少しでも拾い上げていただければ幸いである。

 最後に、このような発表の機会を作り上げていただいたKADOKAWA様と、この物語を読んで下さった皆様への厚い感謝を申し上げ、あとがきを終えさせていただく。


 ありがとうございました。

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