28

 いつかの夢を見た。

 彼が私の手を掴んでいる。

 その手を引きながら、彼は私にぶつくさと文句を言い続け、私はそれを聞き流していた。

 私の手を引くその手は温かかった。

 それが自分でも驚くほど幸福な夢であった事に気付いたのは、その夢から醒めた後だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る