パトリックの戦い(前)
◆
議題は
「レイヴンズヒルを
「その場合、避難先はサウスポートか、それともストロングホールドか」
「なるべく〈外の世界〉から離れていたほうがいいだろ」
「それならサウスポートか」
市街において命がけで戦う兵士のことを考えれば、自らの身の安全ばかりを気にかけているようで、
しかし、パトリックも他人のことを言える
「一つ提案があるのですが、お時間よろしいでしょうか?」
助言役として出席するパトリックには発言権がないに等しい。当然、
「ああ……。何だね、
「
「『
「それで、本当に敵は引き下がるのか。連中の目的が『
「そもそも、連中はなぜ『
パトリックの意見は
「彼らの目的は
「……それは本当なのか」
「学長の
その時、
ほどなく、見張りの魔導士が顔をのぞかせ、黙ったまま、議場内へいぶかしげに視線を送り続けた。
「……どうした?」
「いえ、扉が開いたので誰かが出ていらっしゃるのかと……」
「……?」
「そっちが開けたんじゃないのか?」
パトリックは敵の能力者だと
「この国をさがし回るだけでは満足できないのか」
「それはやりつくしたということでしょう。おそらく、巫女がこの国にいないと言っても、彼らが手を引くとは思えません」
「待ちたまえ。まるで巫女を
「『
パトリックの
「仮に『
「おそらく、この国にかけられた『転覆の魔法』に影響が出るのはさけられません」
「天地の
「完全に解けるかはわかりませんが、〈外の世界〉へ持ちだされれば、相当の影響が出てくると思われます。とはいえ、今こそ〈外の世界〉へ扉を開く時ではないでしょうか。
穴ぐらにこもっているから、何かを隠し持っていると、痛くもない腹を探られるのです。〈外の世界〉との自由な
「〈外の世界〉には
「〈侵入者〉から得た情報によれば、人狼族の世は終わったと聞きます」
「しかしだな、現に人狼族より
「そうです。もはや、天地の反転は我々を守る盾として機能せず、我々の行動を制限するだけの
「学長の意見はもっともだ。最悪の事態にそなえておく必要もある。確認しておきたいのだが、『転覆の魔法』を解くことで、何か他のデメリットは考えられないかね?」
「……ございます」
パトリックはできればその話をしたくなかった。
◆
パトリックが語った『予測』は、衝撃をもって受け止められた。それが
「バカげている。そんな恐ろしいことができるわけがない」
「学長はそれがわかった上で『
興奮のあまり、テーブルをたたく議員も現れた。議員たちの反発はもっともであり、これが常識的な反応だ。パトリックの『予測』が現実となれば、この国は
「〈外の世界〉にも私たちと同じ多くの人間がいます。そのことは、必ずしも
「しかしだな、ただでさえ人口減少に悩んでいるというのに、なぜ自分の首をしめるようなことを、わざわざ行う必要があるのか」
「そもそも、あれは巫女の
「お言葉ですが、事ここにいたっては巫女との
「言っていいこと悪いことがあるぞ。巫女はこの国を
「みなさまはそれをおぼえておいでですか?」
「
「しかし、今回の
「学長、口がすぎるぞ。
パトリックは国を守りたい
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