第26話 小話3の1 俺にも課題は出ているぞ
課題が出るのは1年生だけでない。
2年生の俺にも当然それ以上の難易度の課題が出る訳だ。
今度の課題は『実用的な義足を作ること』。
詳しい肉体寸法や要求スペックも発表されている。
単に作るだけなら簡単だ。
出来る限り人間の足に似た筐体を造って。
モーターや魔法で歩いたりしゃがんだりする動作が出来るようにすればいい。
姿勢調節も3軸の加速度センサが片足につき最低1個あれば簡単。
でもそれでは作品として面白くない。
より実用性の高い、そして便利な付加機能ありのものを作りたい。
まずは対象の身体データを元に脚の形や大きさ等を計算してモデルを作る。
下肢は基準体重比では1本あたり総体重の18.5%。
下肢部分がほとんど無い対象の現在の体重から逆算する。
作成される義足1本の重さは8.9キログラム。
義足の長さは取付時で約80センチになる。
形はどうモデリングしようか考える。
うちのクラスの他の連中は、
○ 彫刻等の芸術作品の実物からモデリングする派
○ マネキン人形からモデリングする派
が多数のようだ。
個人的にきれいだと思う実物から取るのが一番リアルだろうか。
そう思って思い浮かぶのは学生会幹部3人と補佐1人。
見た目はそれぞれ整っているし、頼めば採寸くらいさせてくれるだろう。
だがその後を想像するとこの案はパスだ。
最低でも俺の下半身までモデリングされかねない。
それ以上のコトに進んでしまう可能性も大だ。
俺としてはそれは絶対に避けたい。
ここで俺の由香里姉に対する昔と今の心境を思って詠んだ詩を紹介しよう。
「由香里姉 遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」
室生犀星の詩のパクリだが偽らざる俺の今の本心だ。
由香里姉にあこがれていた以前の純真な俺をぶんなぐってやりたい。
話が逸れた。
義足を作るんだった。
形は結局細身のマネキンを元にして。
本人の上半身を考慮してCADで多少細めに設計したものをベースにする。
細身に作れば後で肉を盛るのも簡単だ。
大画面でCADを動かしているところに香緒里ちゃんがやってきた。
画面に映されている人間の脚のモデリングを見た後。
ちょっと考えた後顔をしかめる。
「修兄は脚フェチさんだったのですか」
違うわい!
「これは俺の実習課題。実用的な義足を作れって内容なんだ」
香緒里ちゃんはちょっと考えた後口を開く。
「もし必要なら、私の脚を測ってモデリングしてもいいですよ。ちょっと恥ずかしいけれど修兄になら付け根まで見られても大丈夫です」
香緒里ちゃんはそう言ってちょっと顔を赤らめる。
その意味を理解するのに俺は多少の時間を必要とした。
そしてヤバイ構図が俺の頭の中に描かれる。
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