第十一話「リタのログハウス」
俺が広間で待っていると、リタがやってきた。
「リモは!?大丈夫なのか!?」
「落ち着くんだ、クロア君。一命はとりとめた。全く、私がいなかったら死んでいたぞ?存分に感謝するんだな」
「そうか…よかった」
あの後、ログハウスにリタがいなかったらどうしようか、などと考えつつ向かったが幸いリタはログハウスにいた。始め、血だらけの俺たちを見たリタは驚いていたが、すぐに事情を把握してリモを治療してくれた。あいつほんと器用だな。
「死にかけていたリモ君を助けた私に対する評価がひどくないかい?」
「だから当然のように心を読むんじゃねえ!ったく…、それで、リモのけがはいつ治るんだ?」
「うむ、君もかなり重症だったが、リモ君はもっと重症だ。体力の差もある。まあ、あと一日ほどしたら目が覚めるだろう」
はやっ!え、なに最近の技術ってそんなすごいの?確かに俺の傷もやけに早く治ったなぁとは思ったけど!
「そうだ、おねーさんに感謝するんだな。はっはっは」
すげえ棒読みで高笑いしてるリタを見ながら、俺も少し休むことにした。
リモが目覚めた後、フュリアスを倒した時のことを聞いたが、ふゅりあすってだれ?と聞かれたので何も覚えていないようだった。そのあとエルにも聞いてみたが、フュリアスに倒された後のことは覚えていないらしい。そんななか俺はリタと話し込んでいた。
「リモって何者なんだろうな」
「さぁ?おねえさんにもよくわからない。まぁ、ゆっくり考えればいいんじゃないか?君はまだ若い。時間はたっぷりあるだろう?」
なんか言ってることが年寄りくさ…
「いてぇ!本の角で殴るな!」
「君が失礼なこと考えるからだろう。で、これからどうするんだい?」
「ああ、俺には目標ができたんだ。」
リタを見ながら俺はこう答えた。
「俺は、いつかこの世界の中でみんなが幸せに暮らせる世界を一から作っていきたいんだ。それにリモについてもいろいろ調べて回りたい。それから…あの管理者の世界の新たな管理者を探したいと思ってる。俺たちのせいで死んだようなもんだしな」
向こうから襲いかかってきたし、それは仕方ないことだとは思うが。
「それで、これから世界を回る旅をしたいと思うんだ。それで…」
「わたしもいきたい!わたしもみんなでいっぱいたのしいことしたい!」
「今度はおねえさんもついていこう。とてもおもしろそうで興味深い」
「じゃ、準備をして出かけるか!」
こうして俺たちの旅は再び始まった。
~fin~
繋がる世界と不思議な少女 @arikasi_tia
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