木洩れ日のにほふ腰掛け清くあれど草深くして座りがてにす

 木洩こものにほふ腰掛こしかきよくあれど草深くさぶかくしてすわりがてにす


〔語釈〕

「にほふ」は、色が美しく輝く。照り映える。

「座りがてにす」は、座ることができないでいる。「がてに」は、……することができないで。……することが困難で。


〔大意〕

 木洩れ日の照りにおう腰掛けのきれいにしてはあるのだが、草が深く生い茂っていて座ることができないでいる。


 古風な言葉遣いで近代的な趣味を表現することを目指した。第三句は五音におさめることもできたが、古歌を意識して六音にした。


〔参考歌〕

 楽浪ささなみ志賀しが辛崎からさきさきくあれど大宮人おほみやびとふねちかねつ

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