第13話ダンジョンからの脱出
ここはグロウトの近くのダンジョン。
キララのスキルの確認や初めてのダンジョン攻略を目的にきたのだが…。
俺たちは今ピンチに陥っていた。中堅クラスの冒険者が行くレベルのダンジョン2階に落ちてしまったのだ。
中堅冒険者のキララはまだいいとして、まだ初心者である俺とシルミーは危険だ。
1階に戻る道は俺の直感に頼れば行けるだろう。だが、もし途中モンスターにあったのであればこのメンバーではどうしようもできない。
何か良い方法はないかと考えていると。
「さっきの音で近くのモンスターが近寄ってくるかもしれないし、歩こう。剣真の直感もあるし大丈夫!」
そんなことをキララはモンスターに気づかれないよう小声ながら、落ち着かせてくれる声で言った。
シルミーも不安そうな顔も少し和らいだ。
「よし、じゃあ静かに歩きながらいくぞ。右の方だ」
そうして、右の方に向かう。
すぐに曲がり角にぶつかり、左に曲がろうとするそこには1匹のオーガがいた。
俺達はすぐに来た方向に体を曲げ走り出した。
オーガに見つかり、走って逃げた俺達は他の場所にいたモンスター達にも気づかれ、今は後ろに20や30そこらの数が追ってきている。
「な、なあ。キララは、ここのダンジョンの2階に、来たこと、あるよな?ここら辺に、隠れる場所は、無いのか?」
息を切らしながら、質問をする。
「2階のどこかしらには少し大きな遺跡があるはず。そこに行ければ、策はあるよ」
やはりステータスの差はでかいほぼ息をきらさずに話すキララ。
早くレベル上げないと。
そんなふうに俺が心配していると…。
「その策って、あのモンスター達を追い払えるの?」
シルミーがまったく息を切らさずにいった。
何も言えねー。
「いや、あのモンスター達を倒すことができるよ。でも、タイミングを少しでも間違えるともう策はない」
「タイミングさえ間違えなければ、大丈夫なんでしょ?」
「うん、大丈夫。でもこれはあのモンスター達を少しの間引き付けてくれる人が『その役、俺がやる』」
「大丈夫?策ってのはさっき罠解除をした爆弾を設置して遺跡ごと爆発させることなんだ。で、罠に使う爆弾は威力が強いから遺跡から出ていないとダメなんだ」
「大丈夫だ。でも、遺跡ごと爆発させるなら、出口の手前に設置してくれ」
キララが失敗してる時のことを考えているのだろやっぱりさっきは皆を元気付けるために強がっていたんだろう。たしかに失敗したら俺達は全滅するかもしれない。
だが…。
「冒険者に危険は付き物だ。ピンチが怖くて冒険者なんてやれねーよ。俺はキララのことを信じてる。だからキララも俺のことを信じろ」
「ごめんね、私の方が冒険者として先輩なのに。…わかった、信じるよ。このダンジョンから3人で脱出しよう」
このパーティーならできる俺はそう確信できる。直感ではない。俺の意思でだ。
「剣真、ここら辺の道はもうわかるよ。遺跡まで近い。みんな準備して」
「じゃあいくぞーー!!」
「かかってこいやー!」
俺は遺跡の柱などを利用して上手くモンスターに追いつかれないように走ってる。
足が痛い。すでにボロボロになった足を無理やり動かしている。
大声を出しているのも痛みを紛らわすためだ。
略奪で体力や素早さを交互に奪いながら逃げていた。でも数が数だ。
このままじゃ追いつかれてしまうだろう。
日本にいた頃ならそう思っていただろう。だが今の俺には力がある。ここでゲームオーバーなんてしてられるか!
「略奪!!!!!」
俺はステータスをまた奪った。体力を奪い体が楽になる。それだけじゃなかった『素早さが上がっていた』。
そう、俺はステータスの体力と素早さの《2つ》奪ったのだ。
略奪のレベルが上がったのだろうか。これならいける!
そうして、逃げ続けると…。
「罠設置できたよ!!」
「今いく!略奪!!」
モンスター達に最後の略奪を使い遺跡の出口に向かう。
そして…。
「いまだああああ!!!」
大きな爆発音がダンジョン中に響いた。
俺は背中に爆風を受け、吹っ飛んだ。
すぐに起き上がり、さっきまで逃げていた方向を見る。
モンスターの姿は1匹も見えず、崩れた遺跡のあとしか残っていなかった。
そして、遺跡が崩れたせいでそれを土台にしていた1階の床が崩れていた。
「やった…」
「やったあああ!!」
キララとシルミーが喜び抱きしめ合う。
だが。
「喜ぶのはまだ早いぞ。どうするんだこの後は?」
そう俺たちは1階に続く道がある逆の方向に逃げたのだ。もちろん途中にはモンスターがいるだろうし、さっきの爆発でモンスターが近づいてくるかもしれない。
「1つ気になってたことがあったんだけどさ、剣真の略奪って生き物にしかできないの?」
シルミーがそんな疑問をした。
「できなくはないと思う。冒険者カードに使用できる対象の制限は書いてなかった、けど、何から何を奪えばいいんだ?今の俺はさっきたくさん略奪使ったせいで、せいぜいあと2回分ぐらいだぞ?」
俺から逆に疑問で返すがシルミーはそれにすぐ答える。
「それさえあればいけるよ。剣真が床の『硬さ』を奪って」
「硬さ?」
「うん、硬さを奪えば床は柔らかくなるってことでしょ?だから、硬さを略奪した剣真が飛んで床に着地しようとすればゴムみたいになる。それに合わせて私達も飛べば床が元に戻ろうとする反発力で上に飛べるよ」
驚くような考えでなにも言えない。
さすがは知能が最高クラスのシルミー。普通じゃ考えらんないことを考えつく。
「それならいけるよ!モンスターもそろそろ来るかもしれないし、急ごう!」
そして、穴の真ん中…ではなく、端の真下に来た。端なら少し飛びのが失敗しても穴の端を掴めるからだ。
「じゃあ、いくぞ。準備はいいか?」
コクリとシルミーとキララが頷く。
それを、確認した後に…。
「略奪!!」
床から硬さを、奪いジャンプをする。
「飛べーーー!!!!」
硬さを奪われた床はどんどん沈み…元に戻った。
3人とも上に放り投げられた。
「おおおお!!!」
シルミーとキララはしっかりと着地した。
俺はというと着地に失敗していた。すると…。
「「プフ…あはは、あははははは!!」」
「笑うなよ!疲れてるんだからいいだろ!!」
「顔赤いよー!!あははー!!」
「恥かしいの〜!?剣真かわいー!!」
「ったく」
でも、悪い気はしなかった。
「まだダンジョンから抜け出せたわけじゃないんだから、ほら立っていくぞ」
「立つ必要があるのは剣真だよー!!足だってフラフラじゃん!ちょっとまって、ヒール!」
さっきまでの疲れがすっかり無くなった。
「ありがとな。じゃあいくぞ」
「うん!」
いつの間にかに少し前まで楽しく雑談していた時と同じ雰囲気に変わっていた。
途中に何体かモンスターに遭遇したが、軽く2階のモンスターを見たあとで、緊張もなく楽に倒せた。
さっきみたいに天井にあるトラップに引っかからないよう気をつけながら。
「ねね!光が見えるよ!」
シルミーが走る。負けじと俺とキララも走る。そして、ついにダンジョンから出た。
ダンジョンに入った時は青空だったのが、今はもう橙色になっていた。
「街の近くのモンスターに夜行性はいないはずだし、ゆっくり帰ろうー」
「そうだな」
ゆったり帰り街についた俺達はガレンさんを連れて一緒にご飯を食べながら今日あった出来事を話した。
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第13話です。
前回は展開を急いでしまったので、そこに気をつけながら書きました。
剣真のスキルが上がったり、床にスキルを使うなど剣真も徐々に強くなってきました。
でも、奪えるステータスは少しの間は2個のままだと思います。
シルミーとキララもしっかり成長させつつ、皆さんに読みやすいよう次の話もがんばります。
では次の話で!
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