第97話 灯

山の中腹にある駅の端から

日が暮れていくのを見ていた

夕焼けが徐々に枯れていき

街は濃い群青に飲まれていく


全てが闇に塗り潰される前に

ぽつりと白く浮かび上がる光

ひとつひとつ点っていく灯りが

この存在を許してくれる気がして


やがて街の灯りは広がり

もう暗がりを怖れることはない

ここへ帰っておいでとやさしく

手招きしてくれるみたいで


やわらかな光は道を作り

いつしかそれは足下まで続いて

歩くべき道を照らしてくれる

この体がもう迷わないように


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