第64話 冷たい雨
冷たい雨に打たれながら
ゆるゆる走る帰り道
いつもより流れの早い川の水が
深まる夜へ叩きつける音
かさを増していくその川が
澱んでくのがつぶさに見えて
その常ならない表情に
ペダルを踏む足に力を込めた
まるでハンドルに縋るように
かじかむ指で強く握れば
軋むブレーキの耳障りな響き
もうこの体は冷え切っている
ほろりほどけた涙は全部
休みなく降る雨のせいにして
ただ暗がりを走り抜ける
冷たくも潔いこの雨の中を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます