第30話 この窓から

この窓から見えるのは

絶望とか嘆きとか

どうしようもないぐちゃぐちゃで

僕は分厚いカーテンで

そっと視界を閉ざすんだ


それでもそのぐちゃぐちゃは

不快な音を立て続け

大事なものを奪うから

僕はガラスを叩き割り

目の前の闇と対峙する


理不尽に奪われることは

慣れるよりむしろもう飽きた

逃げるのも目をそらすのも

もううんざりだからこの手で

先に続く道こじ開けよう


傷だらけになったって

その痛みはいつか癒えるから

今は何も考えずに

この窓から見えるはずの

明るい景色を取り戻そう


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