第22話 穴をふさぐ

その穴はいつの日からかそこにいて

ニヤニヤと町も人も皆飲み込んだ


音もなく広がり続けるその穴に

人々は為す術もなく立ち尽くす


むなしさを感じるスキもないままに

僕たちはあらゆるものを失くし続け


傷口を痛いと思う感覚も

目の前の穴のえじきに成り下がる


何もできず指をくわえて見てるだけ

そんな日が誰かの心を荒ませる


もう何も無くすものすらないのなら

僕だけは抗ってみていいのかな


この穴がキミを飲み込んでしまうなら

その前に爆弾を穴に投げつけよう


この穴にキミを奪われてしまうなら

その前に僕が飛び込み穴をふさごう


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