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キミガモリ

キミガモリ

七町藍路

おすすめレビュー

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★★★
★9
3人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 馳月基矢
    350件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    モリに閉ざされた狂気は、とても悲しい物語だった

    その山奥の村には、入ってはならないモリがある。
    モリの中には、廃墟となった屋敷が建っている。

    禁じられれば、子どもたちはむしろ探検などをしたがるから、
    風変わりな夏祭の日、弟も村の子に誘われて屋敷に入ったのだ。
    弟が屋敷でいなくなったと聞き、楓は1人、捜索に乗り出した。
    日頃は女子高生らしく振る舞う楓だが、本当は、度胸は人一倍。

    埃だらけの屋敷を歩き回るうち、学生服の少年、千歳に出会う。
    千歳も彼の弟を探していると言い、楓は彼と同行することに。
    怖がりな千歳は人柄がよく、勝ち気な楓も次第に打ち解けるが、
    千歳は村と屋敷の謎に妙に詳しい上、様子が変わり始め──。

    静かな筆致で描かれる、夏の夜の出来事。
    その村は、何を隠しているのか。
    その祭は、なぜ不気味なのか。
    ひっそりとした悲しみが後を引くホラー。

    • 2017年8月18日 22:12