恵&倫也vs詩羽&英梨々始まる? side恵&倫也 1

俺と恵は、恵の意見に従い京阪に乗って大阪に向かっていた。もちろん特急で。そして大阪府に入った頃、俺はこの逃走劇が始まってから少なからず思っていた事を恵に思いきって聞いてみた。


「なぁ、恵」


「なに?」


「思ったんだけど、なんで直接電話しないんだ?」


「あ~、そこを聞くの?」


「……ぇ?」


「そこを聞かれちゃうと、確かにその通りとしか言えないんだけど、まあ倫也くんは知らないもんね。でも私たちにも色々と顔を合わせにくい事情GirlsSideを参照があるんだよ。ただそれだけだから」


「何それすごい気になるんだけど⁉」


「はいはい。もうこの話は終わりだよ。そんなことよりもどこに行くか考えよ?」


「うーん。といってもな~、俺は日本橋くらいしか思い浮かばないんだよな」


「?着物買うの?」


「いつの時代の話だよ⁉というかそれ東京の方のだから‼大阪の日本橋は東京でいうところの秋葉原みたいなものだから‼」


「ふ~ん。そう」


「……おい」


俺の説明に対する恵の反応がいつになくフラット、というか雑なのはさておき、俺は本当に大阪に関しては日本橋くらいしか思い浮かばないので、ここは大阪を提案した恵に任せようと思ったんだけど


「じゃあ日本橋?に行こうか」


「恵はそれでいいのか?」


「うん、だってどこも思いつかないから」


どうやら恵は恵で俺の意見を採用しようと思っていたようだ。こういうときは先に言ったほうの意見を採用するから、俺のになった。でも俺としては昨日も既に京都でアニメショップ巡りをしているので、なんとか恵も楽しめる所を考えたいんだけど


「……倫也くん?」


「う~ん、でも俺は大阪はほとんど行ったことないからな。USJとかかな。でもそうなると出費が」


「ねぇ倫也くん?聞こえてる?」


「他だと何がある?通天閣か?でもそれだとありきたりすぎるな。というか明日はあれなんだよな。だからあれのための物も買わないといけないしな」


「倫也くん!」


「っおう⁉恵?どうした?」


「どうしたじゃないよ倫也くん。私ずっと呼んでたんだよ?」


「悪い、考え事してた」


「あー、USJがどうとか通天閣がどうとかっていう?」


「え?」


「でも、明日のあれってなに?」


「わ~‼そこはいいから‼今からどこ行く?」


「強引に話変えてきたね倫也くん。まあ倫也くんそういう人だってみんな知ってるから別にいいけど」


「みんなって誰⁉」


「そこは今気にするところじゃないから」


いやいや恵のほうが強引に話終わらせてるじゃん⁉

なんて面と向かって言うとややこしいことになりそうなので、心の中に留めておく。

ちなみに今は午後3時を少し過ぎたところ。まあ別に時間を言っておく必要は無いけど、この時間だから行く場所はやっぱり


「「USJ行こうか」」


「やっぱりそうなるよな」


「そうだね。混んでるかもしれないけど、長い時間いられるんじゃないかな」


「そうだな。でもどこで降りたらいいんだ?俺大阪って日本橋のアニメショップくらいしか行ってないから乗り換えとかちんぷんかんぷんだぞ?」


「確か京橋っていう駅で環状線に乗り換えだったと思うよ?」


「あれ?なんで恵そんなに詳しいんだよ」


「詳しいもなにもGoogleで調べたらすぐ出てきたよ?」


「なるほど。よし、じゃあ京橋で乗り換えてUSJだな」


「うん。あの二人に会わないといいけど」


「そうだな」


と話しながら俺たちはUSJ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへと向かっていった……

この時、俺はまさか彼女・・と満を持したかのように出会うとは考えもしなかった。……なぜ俺だけかって?それは、恵は気づいていたからだ、としか言えない……

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