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炎の燃える音

炎の燃える音

鋼野タケシ

おすすめレビュー

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★★★
★6
2人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 馳月基矢
    365件の
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    ★★★ Excellent!!!

    痛み続けるのは、胸を焦がす炎がまだ燃え尽きてなどいないから

    彼女は早々に夢を見付け、そこに向かって一心に走り出していた。
    お調子者のバカだった彼にこそ、本物の非凡の才能が眠っていた。
    幼馴染みの2人のすぐそばで、「ぼく」だけが、くすぶり続ける。
    光と熱と太陽、いつも一緒だった3人が、2人と1人になってしまう。

    夢中になれる何かが自分にあれば。
    人を魅了するほどの才能があれば。
    夢を叶えて成功する人生だったならば。
    カケラでいいから自信を持てるならば。

    「ぼく」の胸を焦がす炎は、吠えるように吐き出され、描かれる。
    誰しも似たような妬みや絶望を抱いたことがあるのではないか。
    それを抱き続ける苦しみから逃れて、大人になったふりをする。
    けれども、いつになっても時折、炎は隙を突いて現れはしないか。

    あまりに正直な「ぼく」の吐露に胸を抉られる。
    ゆずの初期の青々とした唄を聴きたくなった。

    • 2017年8月21日 14:02