カッコーの巣の上で


カッコーの巣の上で(1975)1

d.ミロス・フォアマン

t.ローレンス・ホーベン/ボー・ゴールドマン

c.ドラマ

ジャック・ニコルソン(マクマーフィ)

ルイーズ・フレッチャー(婦長)


1962年発表のベストセラー小説が原作。

1975年アカデミー賞主演男優/女優賞

監督賞/脚色賞/作品賞

1975年ゴールデングローブ賞

他にも多数の受賞歴有り


………淫行で逮捕されたマクマーフィ(38)は収容先の農場の強制労働から逃れるために精神異常を装って5度の暴行事件を起こし、精神病院に送還される。患者に対して抑圧的な病院でも、マクマーフィの破天荒は炸裂する。


時代背景を調べると閉塞的な精神病院の医療の在り方について訴えているということらしいんだけど、そうとは知らずに観た私は秩序と人情のグレーゾーン・意思を問わずに"人間性"を消されることの是非について問いかけられているように感じた。

タイトルにもちゃんと意味があってグッときた。


以下、若干のネタバレあり。




マクマーフィは周囲から敬遠されている聾唖の大男にも積極的にコミュニケーションを取って、患者達とバスケをしたり、カードゲームを教えて自分の遊びに巻き込もうとする。


印象的だったのは、婦長に ワールドシリーズ観戦のためにTVの視聴をさせてくれと嘆願するが、聞き入れられないシーン。

そこでマクマーフィはブラックアウトしているTVに向かって野球の実況を始める。まるで本当に観戦しているかのように臨場感たっぷりに叫ぶのだ。周囲の患者も彼の実況に興奮して歓声をあげる。何も映らないTVの前には人だかりができる。

傍若無人で破天荒な振舞いだけど、彼らにとってマクマーフィは新鮮で刺激的、愉快なことを放つ存在になる。


不器用で上手く遊べない患者達とイケイケのマクマーフィの交流はチグハグだが、マクマーフィは差別も蔑視も一切せずに、彼らを自分の人生の一部として取り込んでいく。その過程がちょっと笑える。患者達もマクマーフィに触発されて、良くも悪くも少しずつ活発になっていく。


だけど、ラスト10分で事態の深刻さや危うさにやっと実感的になる。ここは精神病院で、ここに集まっているのはギリギリのところにいる人たちなんだという事実がかなり衝撃的な形で突きつけられる。本当に突然、強烈になった。


ラスト5分で真の主役の存在に気付かされるし、「ロボトミー手術」というワードの知識があるかどうかで理解度が変わると思う。


あと、マクマーフィに首を締められた婦長のオチる寸前の演技が本当に凄かった。


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