もう1つのトレード

ヤマオカ監督は希崎 グリフィズ 土方という勝利の方程式を打ち立てた事で、終盤のペナントレースを優位に進めると確信した。

七回は希崎、八回はグリフィズ、九回は土方というアンタッチャブルな継投がエンペラーズの優勝のカギを握っている。

ゴールデンズに勝ち越した事で2位とのゲーム差を2に広げた。


しかしまだ試合はのこっている。


逆転優勝の可能性も十分にある。


この日エンペラーズは試合がなく、グランドで調整を行った。


2位のボンバーズは4位ゴールデンズと対戦、3位のヤンキースは5位のガンズと対戦した。



そんな中、3位ヤンキースが前代未聞な出来事をやってのけた。


それは、2位ボンバーズの主砲八幡を金銭トレードで獲得したのである。


シーズン後半に入り、優勝争いをしているチームの主砲を交換ではなく、金銭でトレードするという事は、普通では考えられない。


しかも八幡は試合中にトレードを伝えられ、選手交代という形でベンチに引っ込み、その足でヤンキースナインのいる北九州まで行ったのだ。


そして翌日からヤンキースの一員としてマスクを被り、打順も守山を押し退け4番に座り、勝ち越しのホームランを放った。


何故ボンバーズは優勝争いをしている最中、主砲で扇の要とでも言うべき存在の八幡を放出したのか。



八幡はチームの中心人物であり、一昨年リーグ制覇を成し遂げた原動力だ。


そんな選手を放出すると言うことは、八幡に問題があったのだろうか?


しかし、八幡は球界きっての常識人として知られ、チームの和を乱すような人物とは思えない。


となると上層部、しかもオーナークラスの人物に何かあったのではないか。



ボンバーズのオーナーは釜 堀夫(かま ほりお)

親会社は関西に拠点を置く、同性愛者専門出版社の代表取締役としてその筋の業界では多大な影響を持つ人物で、新宿2丁目にある数多くの専門店のプロデュースも手掛けている。


学生時代、野球に明け暮れ監督に男色の手ほどきを受け同性愛に目覚めた。


同性愛者に理解を、というスローガンを掲げ一時は政界にまで進出した。


関東のドンが穴堀ならば、関西のドンは釜とまで言われている。


そのオーナーが八幡を放出するという事はボンバーズがペナント争いを放棄すると言っても過言ではない。


どうやらヤンキースのオーナー塗呂が1枚噛んでいるようだ。


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