日本初のスイッチピッチャー

ゴールデンズとの二戦目、エンペラーズの先発は高峰、ゴールデンズの先発は華原。共に速球を武器にスライダー、ツーシームを操る。


高峰は序盤からいつものように飛ばす。


華原も負けじとストレートでぐいぐい押してくるピッチングだ。


均衡が破れたのはマードックのツーベースヒットからだ。


そして4番の浅野を迎えた。


高峰は真っ向から勝負に出た。

しかし甘く入ったストレートを痛打され、レフトスタンドに飛び込む30号ツーランを打たれた。

浅野は守山と並びホームラントップ。



エンペラーズも高梨の1発で追い上げるが、中継ぎのエース前田の前に沈黙。


最後は守護神、藤野が3人をピシャリと抑えた。


2対1の接戦をものにできなかった。


そして三戦目は一軍登録したばかりの投手が先発として発表された。


一昨年のドラフト3位で指名された左腕の投手、延原 曹(のぶはら そう)


エンペラーズは登録名をSohとした。曹を横文字に変えてみたらどうかという首脳陣のアイデアでSohとなった。


この大事な一戦に任せられるのか、とばかりに思っていたが、このSohの使うグラブが少し変わっていた。


6本指に作られた特注のグラブだからだ。


つまり、右でも左でも投げる事ができるスイッチピッチャーの誕生でもある。


このSoh、ファームでは左で投げるよりも右で投げるように特訓した。


本来は左投げなのだが、右でも投げられるという事を披露した。


オーバースローの左では145㎞のストレートにスライダー、ツーシーム、フォークを投げ、スリークォーターで投げる右では、140㎞前後のストレートにスライダー、チェンジアップ、カットボールを投げ分ける日本で初のスイッチピッチャーなのであった。


一回の表、Sohはどちらから投げるのか。


左でストレートを投げた。


「ストライク!」


球のキレは悪くない。


続いて二球目は右から投げた。


スライダーが外に決まり早くもツーストライク。


次はどっちで投げるのか。


左だ。ツーシームがギリギリ外角に決まり見逃しの三振でワンアウト。


左右投げが通用するのだろうか、行けるところまでいってみようというのが首脳陣の考えなのだろうか。


Sohはその後も三者凡退に抑えまずまずのピッチングをする。


打線もSohを援護しようと、6番松浦がソロアーチを放つ。


中盤にマードック、浅野のタイムリーで2点を失うものの、後続を抑え、1対2のまま七回の裏の攻撃は3番トーマスJr.からという好打順。


トーマスJr.がフォアボールで歩き、続く4番の高梨がレフトスタンドに勝ち越しのツーランホームランを放ち逆転に成功。


Sohは七回でマウンドを降り、八回をグリフィズが三者凡退。


そして最終回は守護神、土方が抑え3対2でエンペラーズが逃げ切った。


左右投げのSohは被安打6

失点2

奪三振5

2四球で初登板、初勝利を上げた。



このまま先発ローテーションとして固定できるかどうかは次の登板の内容如何にかかっている。


そして、北九州では阿佐オーナーが、ガンズの女性オーナー、潮とトレードの話をベッドの中で互いの会社が開発した玩具を使用しながら進めている最中だ。

阿佐オーナーは、小倉という投手はQS(Quality Start 良好な先発。先発投手が6イニング以上を投げ、かつ3自責点以内に抑えた時に記録される)の良さと

WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)【(与四球 + 被安打) ÷ 投球回

一般に先発投手であれば1.00未満なら球界を代表するエースとされ、1.20未満ならエース級、逆に1.40を上回ると問題であると言われる】1.13という、先発投手としては申し分ない成績があると説明、セイバーメトリクスを重視するガンズの野球に小倉はうってつけという事をアピールと同時に発射した。


潮も阿佐の性技とピロートークで絶頂に達し、トレードを承諾、希崎はエンペラーズへ、小倉はガンズへと移籍が決定した。

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