親子対決

エンペラーズは北海道へと場所を移し、北海道デンジャーズとの二連戦を行う。


オーナーはススキノのナイトレジャーランドで性行いや、成功をおさめた、氏子利 貫夫(しこり ぬきお)


ナイトレジャーランドで数々のアイデアを打ち出し、客を飽きさせずにリピーターを増やす手法で、ススキノの帝王とも呼ばれた人物だ。

昨年まで、【北斗サザンクロス】というチーム名だったが、ファンからの

「北なんだか、南なんだかどっちなんだ、おいっ!」

というツッコミにより、球団名を変更した。


デンジャーズは長打力では、他のチームに比べ見劣りするが、守備力はかなり高く、守りの野球を掲げ、数少ないチャンスで得点する。


今年新加入した、キューバの主砲、ホセ・サンペドロ内野手を4番に据え、Aクラス入りを狙う。


投手陣では、昨年の最多勝投手、仁村 章良(にむら あきよし)が昨年同様のピッチングで、チームを引っ張る。


入団11年目の29才。


エースナンバーの18を付け、右腕から繰り出す、ストレート、スライダー、フォーク、チェンジアップで打者を圧倒する。


昨年の成績は、20勝8敗 防御率は3.27 奪三振は196。


そして采配をふるうのは、今年から監督に就任した、宇棚 元春(うだな もとはる)


かつては埼玉スーパーフライヤーズで左腕のエースとして君臨していた。


そしてクンニーズ監督、ナダウ・ヤマオカこと、宇棚 珍太朗の実子でもある。


元春はスーパーフライヤーズが消滅したと同時に現役を引退。


その後は解説者を経て、デンジャーズの二軍監督となり、今年から一軍の監督になった。


就任会見では、エンペラーズのヤマオカ監督を名指しで批判。


「あんなアメリカかぶれの胡散臭い監督がいるチームには負ける気がしない!他のチームに負けても、あのチームには必ず勝つ!ヤマオカっ!勝てるのか、おいっ!」

と挑発した。


元春はヤマオカが珍太朗だという事は最初から解っていた。


メジャーでヘッドコーチをやっていたヤマオカを見て【オヤジだっ!】と一発で解った。


元春は珍太朗を恨んでいた。


勝手にスーパーフライヤーズの監督の座を降り、チームを崩壊させた張本人だと引退の会見でも非難した。


そしてスーパーフライヤーズの主砲だった宇棚ひろしは血が繋がっていない赤の他人なのだが【コイツはお前の弟だ、これから仲良くやれ】と勝手に押し付けられ、博之の意味不明さに戸惑い成績は下降していった。


こんなバカなヤツが俺の弟だと?

冗談じゃない!コイツがいるおかげでスーパーフライヤーズは最下位じゃないかっ!とやり場のない怒りを酒で紛らす。


その影響からか、現役生活を縮める事となった。





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