投打の名伯楽

ヤマオカは佐久間とスミスをコーチに迎え入れようとしていた。


どうやら榊とトーマスJr.のお目付け役的な感じだけではなさそうだ。



「ヤマオカさん、またあのくそガキのお守りをするのは御免だ。申し訳ないがこの話はなかった事にしてくれないかな」


佐久間がコーチの要請を断った。


「I will accept your request of become a coach.But I have one condition(コーチを引き受けるには条件がある)」


スミスが条件つきで引き受けるつもりらしい。



「 Don't intervene in a way at all(やり方には一切口を出さないで欲しい)」


スミスは日本の野球に興味がありそうだ。


「I see(よし、わかった)」


ヤマオカはスミスに任せるようだ。


「佐久間さん、もう一度考え直してくれないかな?榊の才能を見抜いたように、新しい才能を見いだしてもらえないだろうか?」


この通りだ、頼む!とばかりにヤマオカは頭を下げた。


「しかし、チームには坂本がいるじゃないか。アイツはいいコーチだ。オレが出る場面じゃないよ」


ヘッドコーチの坂本は、ピッチャー出身だ。


彼も一流の指導者として名高い。


「彼にはファームの監督をやって欲しいと伝えた。実はファームの監督が体調を崩してね。しばらく休養する事になったんだ。」


ファームの監督をしている佐竹は、胃の腫瘍が見つかり手術する事となった。


そこで育成に定評のある坂本がファームの監督に就任する事となった。


佐竹は回復次第、スカウト部門に移動となる。


「佐久間さん、頼む!ヘッドコーチとしてウチに来て欲しい!第2、第3の榊を育て上げて欲しい!」


ヤマオカは必死に頼み込んだ。


「オレはもう、あんなくそガキ作り上げたくないね」


やっぱり無理か…


「次育てるなら、真面目なヤツを育てたいね」


佐久間がニヤっと笑った。


コーチを引き受けるようだ。


「同じくやり方は佐久間さんに任せるよ」


ヤマオカは名参謀を得てエンペラーズは磐石を構えで挑む。



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