淫乱なフリ(……ック)

庵童音住

第1話

 君のそのすてきな指先が動くたび、声をあげてしまいそうになる。


 最高だ。気持ちいい。気持ちよすぎる。ああ……我慢するのに必死だ。

 気持ちが動いてしまう。見惚れてしまう。

 なんでこんなすごいことできるの?


 たまに、上目遣いに見上げて。

 それが、もう、ほとんに、たまらなく、いい。いいんだ。

 君を、感じてしまう。いとしい。すぐに。もっとほしい。ほしくなる。

 続けて。


 あまり早く動かすと、もうダメだ。

 もっとゆっくり、もっとじっくり、みせてほしい。

 じらしてほしいんだ。早くしないで。

 ゆっくり、もっと、ゆっくり、もっとよくみせてよ。君の。


 細くしなやかな指先。

 かわいい丸い爪のかたち。大きな瞳。濡れて光る唇。

 舌の先をちょっぴり出したりして。もしかしてわざと?


 ころころと変わる表情。

 子供っぽかったり、大人びてみえたり。君から眼が離せない。


 僕の反応を見て愉しんでるの?

 

 君の指はまるで、君自身の意思とは関係なく、生きているみたい。

 早すぎて、それはもうひとつの芸術だ。


 すごいよ。

 そんなに早くしないでくれ。ダメだよ。もっとゆっくり。

 じらしてほしいのに。

 もっと見ていたいのに。

 

 もうこれ以上ガマンできそうにないよ。

 ねえ、もうダメだよ。いいだろ?


 いってしまうよ。

 この気持ち、抑えきれない。

 ほとばしって、いってしまう。


 ねえ、メールばかり打ってないで、たまには僕の相手もしておくれよ。

 いつか、きっといってしまうよ。

 僕ももう僕自身の意思ではおさえきれないほどなんだ。

 君に伝えたいんだ。届けたいんだ。伝えたいんだどうしても。


 いっちゃうよ?

 いいかい? いいよね?


          『君が好きです』




「なにこれ?」

「え?なにどした?」

「LINEしてたらいきなし変な画像出てきて。意味わかんないんだけど」

「うけるぅ。なにこれ」

「マジ意味わかんない。ケータイ変えよ」


          『…………』

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