第19話 歌詞も楽しむ(英語編)
言葉の壁ってね、あるんです。
会話の問題じゃなく、歌詞。
どうせなら意味をわかって唄いたいじゃない。折角演奏するんだから。
いや、意味がわからないと唄い辛い。
そうは言っても、わからないものもあるんだけど。
もうね、手強い。
Come Togetherなんて諦めましたさ。
スラングだらけだし、身内ネタたらけだし。
一応、ビートルズのメンバー四人のことを歌っているらしいんだけど。
もう初っ端からわからん。
He come old flat top
は?
flat topだけで、どんだけ解釈があることか……。
麦わら帽子、角刈り、航空母艦、潜水艦、アメ車のオープンカー……。
一コーラス目はジョージのことらしいので、そうすると潜水艦かアメ車が怪しい。怪しいけど、わからない。
その後の歌詞に、He got hair down to his kneeとあるから、角刈りではないぞと。
よく言われる、チャックベリーのYou can't catch meへのオマージュだとすると、アメ車なのかなあ。
と、最初のフレーズだけで力尽きそうになる。いや灰になれる。
まあ、なんとなくの感覚がわかればいいので、きちんと訳す必要はどこにもないんだけど。
それから、宗教的表現の問題。
価値観というか、根本的なものだから、難しい……。
『奏』の方で、Don't look back in angerを使ったんだけど、宗教的表現から始まるもんだから、どしたもんかと。
Slip inside the eye of your mind
これ、かなりスピリチュアルな感じでしょ?
Don't you know you might find a better place to play?
これをなんて意訳したかっていうと、
「胸の中を覗けば祈りに相応しい場所が見つかるんだよ。君はそんなことも知らないんだよね?」
まず、「君の心の内側に目を向けると」
それを受けて考えるとplayはprayに掛けてあるのかな? と。
Don't you knowは「知らないの?」って揶揄する表現でもあるから、「playに適した場所が見つかるでしょうを知らないの?」→「祈りに相応し場所が見つかるって知らないの?」。
で、二つを組み合わせたわけですよ。
playには色んな意味があるから、どんなことを表現したいかで、解釈は変わっていくんだけど。
例えば、「胸に手を当ててよく考えてみて。遊んでいい場所なのか知らないの?」とか、「自分を見つめ直してごらんよ。冗談じゃすまないってことだよ」とかね。
一行ずつ訳していっても、当然チンプンカンプンなので、前後を合わせて考える。
で、更にややこしいのが、どこまでがワンセットなの? ってこと。
ここで紹介したのはAメロの最初の三行なんだけど、Aメロ全体としては六行あって、でも多分、六文じゃないんだよね。一行目から三行目までがワンセット。四行目から六行目までセットなのか、六行目だけ独立するのか……。いや、しない……かな?
そうすると、Aメロは二セットってことになる。
1.Slip inside the eye of your mind, Don't you know you might find a better place to play?
2.You said that you'd never been, But all the things that you've seen, They slowly fade away(ゆっくりと過ぎ去っていくそれらを、君は見たことがないって言うけど、全部見たことがあるよね。)
しかも、2は1に掛かってるから、結局Aメロを一塊として感覚をつかまなくっちゃいけないってことだよね。ああ、もう……。
なんなの? 愚痴? 「お前さ、言ってること矛盾してんじゃんよ」ってこと?
いやいやいや……そんなメロディじゃないから! 言い方!
「君は色んな矛盾を抱え込んで悩んでるけど、みんなその内過ぎ去っていくよ」
ぐらいで落ち着こう。
やっと一コーラス目のAメロを乗り越えた……。
これくらいの感覚でBメロに入ると、意味というか感覚が掴みやすい。
かと、思いきや!
Bメロもっと大変だった。直訳して、並べて、こねくり回して……。
直訳;
私は私のベッドから革命を始めるつもり
だって、あなたが私のことを自惚れ屋だって言うから
表に出て、夏の盛りに
暖炉の側で立ち上がって
嫌な顔してないで
あなたは私のハートを燃やせやしない
因みに、a revolution from my bedは、ジョンレノンとオノヨーコがやったLove and Peaceのパフォーマンスのことらしい。
「乗り越えるよ。だって君が一生懸命僕を突き動かしてくれたから」
消化不良。
実はAメロもBメロも、サビをどう捉えるかで感覚が変わっちゃうってことに気づく。おうふ……。
このサビがね、色々解釈できちゃうんですわ。
Sally can wait~のくだりは、自分達が先に進んじゃって、Sallyはもう追いつけない状態にある。そのことをSallyは諦めたのか、悟ったのか、can waitは「立ち止った」とか「思いとどまった」とかそんな感じなのかなあ。だって、「サリーは待てる」って、意味不明だもの。
「サリーは待てる。一緒に歩いていくには遅すぎる(too late:遅すぎる・間に合わない・乗り遅れる)ってわかったから」
「彼女の心(魂)が離れていく」
「でも、怒ってはいけない」
「あなたがそう言ったのを聞いた」
「サリーとはもうやり直せないのはわかってるでしょ? だから彼女を怒っちゃ駄目だって、君はそう言うんだろ」みたいな感じですか?
登場人物は三人。IとSallyとYou。Sankakukankeidesuka?
いや、だから!
第二イギリス国歌!
もっと気を付けて!
まあ、そういうことで、後はその時々の意味付けで唄えばよろしいかと。
うん、youは叱咤激励してくれる良いやつってことは間違いないね。
切なくも、前向きな歌詞だってことで。
英語歌詞の解釈って凄い楽しい。
スラング辞典が欲しい。
最近のPVは物語性がないのが多いから、分かり辛いよね。
八十年代を見習え!
日本語の歌詞もそうだけど、自分がどう解釈して唄うのか、聴いた人がどう感じるかっていうのが、結局全てなんだよね。
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