第35話 #ex03 You are my everything !

 すっかり自分の世界に浸っていた香夏子の耳に高山の声が届いた。

「それではお二人の幼馴染であり、また聖夜さんにとっては恋敵であり、新婦の上司だったこともあるという、新郎新婦とは切っても切れない縁の丹羽秀司さんよりお二人に祝辞をお願いしたいと思います」

 湊が屈みながら秀司の席までマイクを運んでいく。立ち上がった秀司がマイクを受け取ると高山はすかさず言った。

「えー、たぶん言いたいことは一晩あっても語り尽くせないほど有り余っていると思いますが、時間の都合もありますのでごく短い一言でお願いいたします」

 秀司は高山を一睨みしてから軽く礼をした。

「ご両家の皆様、本日はおめでとうございます。ご指名を賜りましたので、一言。新郎新婦のお二人と、そしてご列席の皆様へ」

 と前置きして、一呼吸置く。それから再び口を開いた。


「求めよ、さらば与えられん」


(……聖書の言葉?)

 香夏子は秀司の姿をじっと見つめていた。隣の聖夜も身動き一つせず、秀司を真っ直ぐにとらえているようだ。

「これは新約聖書『マタイによる福音書』の一節で、僕がずっと心に留めている言葉の一つです。非常に有名な言葉ですので、皆さんご存知だと思いますが、僕は悩んだり行き詰って立ち止まったときにふとこの言葉を思い出し、また新たな一歩を踏み出す勇気をもらいます」

 秀司にも悩んだり行き詰ることがあるのか、と変なところに感心しながら香夏子は彼の言葉を聞いていた。


「聖夜、カナ。今の僕は二人の存在によって成立していると言っても過言ではない。これからも良き友人として、また良きライバルとして刺激し合える関係でいよう。そして最後に、結婚おめでとう。聖夜の言葉を聞き、今の聖夜ならカナを幸せにできると確信したよ。カナ、今の気持ちとその笑顔を忘れずに、頑張れ!」


 秀司が軽く頭を下げ、湊にマイクを返すと拍手が沸き起こった。

 不意に目の前がぼやけ、慌てて指で目頭の涙を拭う。

「何、泣いてるの?」

 聖夜が可笑しそうに訊いてきた。見ると聖夜の瞳も少し潤んでいるようだ。

「だって……」

 この気持ちを言葉にするのは難しい。秀司の言うように自分もそして聖夜も、秀司なしには今の自分たちはないのだ。

 香夏子は唇を噛んで、また涙が溢れそうになるのをこらえた。


(求めよ、さらば与えられん――か)


 秀司自身が大切にしてきた言葉は、香夏子にとってこれ以上ない嬉しい贈り物だった。

 たぶん聖夜も同じ気持ちでいるだろうと思う。言葉にしなくても隣にいるだけで、香夏子はそう感じた。

 高山が拙い司会進行を詫びて、マイクの前を辞した。彼にも会場から大きな拍手が送られる。

「高山くんって本当に面白い人だね」

 隣からすっかり感心したような声がした。香夏子は思わず苦笑する。

「ホントよく喋るよね。最初、びっくりしたもん」

「でも、少し安心した。秀司の秘書なんて言うから、どんな職場だ……って心配だったけど、明るくて楽しそうじゃん」

「なんか変なこと想像してたでしょ?」

 本当に安心した様子の聖夜を見て、香夏子は眉に皺を寄せた。

「そりゃ、ものすごく心配だったよ。変なことさせられてないかなって」

(心配してくれてたんだ)

 聖夜の気持ちを知り、ほんの少しすっきりした気分になる。一緒に暮らすようになっても、その頃の話題はお互い意識的に避けていたので、聖夜の素直な気持ちというのは未だに知り得ていない。

 だが二人が行き違ってしまったのは、結局香夏子が聖夜を信じていなかったことが原因だ。そして何もかもが中途半端な自分を直視することができなかったから、咄嗟に逃げ出したのだろうと今の香夏子は思う。

 目の前には結局ほとんど手を付けられなかった料理の皿が所狭しと並べられていた。それを見ながら、やはり聖夜の言うとおりだったな、と思う。全ての料理を味わう悠長な時間などあるわけもない。

 そう思っていると銘々にケーキが運ばれてきた。香夏子の前の皿は全て片付けられ、最後にちょこんと一切れのウェディングケーキが残った。

(あれもこれもと目移りしているうちにどれも中途半端になって、結局は存分に味わうことなんかできないんだ……)

 人生も同じだな、と思いながらフォークを手にした。目の前にたくさんの選択肢があっても、その全てを選び取ることはおそらく無理なのだろう。

(でも選んだものはせっかくだからおいしくいただかないとね。後悔しないように……)

 花嫁だというのに、はしたないかもしれないが、ケーキを少し大きめに切り取って口いっぱいに頬張る。ウェディングケーキは柔らかくて甘い。飲み込むと幸せな気分が香夏子の中に広がっていく。最初の一口を存分に味わうと、残りはパクパクと一気に平らげた。

 司会の女性が「それでは皆様へ、新郎からの挨拶です」と告げ、香夏子は慌てて喉を潤してから立ち上がる。お開きの時間が迫ってきたのだ。

「ヤバい、控え室に忘れてきた」

 隣から少し焦ったような小声が聞こえてきた。

「え? 原稿?」

 聖夜は静かに頷く。すると、係の男性が聖夜の横に跪いて「こちらが控え室にありましたが……」と便箋を差し出した。

「おっ! これです。ありがとうございます。助かりました」

 そう言って顔を上げた聖夜は、もう普段の平然とした表情に戻っている。香夏子もホッとして前を向いた。

(仕事で度胸がついたのか、もともとそういう人だったのか……?)

 挨拶の言葉を落ち着いた口調で話す聖夜の隣で、前方斜め下の床をぼんやりと眺めながら香夏子は考えていた。


「これから香夏子と二人で明るく楽しい家庭を築いていきたいと思います。そして我が家が香夏子にとって一番安らげる場所になるよう僕自身努力していきたいと思います」


 列席者への感謝の言葉を述べる聖夜に合わせて香夏子も礼をする。その合間に指で目頭を押さえた。

「次は香夏子だよ」

「うん……」

 途端に緊張が全身を走る。新婦から両親への手紙を読み上げるという、披露宴での一番の見せ場だ。このときのために事前にハンカチを用意している女性もいるくらいなのだ。上手く読み上げられるか心配になり、ドキドキして手が震えてきた。

 森川がスッと香夏子の横へ来た。その間に両家の両親は雛壇と向かい合うように壁際に並ぶ。森川から事前に預けてあった手紙を受け取ると、また立ち上がり、マイクを受け取った。手紙を開く手がぶるぶると震える。

「お父さん、お母さん……」

 最初はあがって声も震え気味だったが、読み進めていくうちに今度は両親への想いで胸がいっぱいになり、自然と涙が溢れ、まともに文章を読むことができなくなってしまった。


「二人には何の相談もせずに仕事を辞めたり、突然実家に戻ったときも、お父さんもお母さんも何も言わずに私のわがままを許してくれましたね」


 向かい合っている香夏子の母はハンカチで目を押さえ、会場からも鼻をすする音が聞こえてくる。

 一旦、昂った感情を落ち着け、それから香夏子は大きく息を吸い込み、思い切ってその先を読み進めた。


「お父さん、お母さんに愛情いっぱいに育ててもらった私は本当に幸せ者です。それなのにこれといった取り柄もなく、実は今でも自分が何をしたいのか、何をすべきなのかがよくわかっていません。三十路を過ぎた娘がこんな有様でお父さんもお母さんもきっとガッカリしていると思います」


 読みながらつい自分でも苦笑いしてしまう。だが、小さくため息をついて続けた。


「でも、わかったことが一つだけあります。それは人生には早すぎることも、遅すぎることもないということです。過去のことを今更どうにもできないし、これからのことは今の自分が作っていくものではないでしょうか。だから『人生はいつだってこれからなんだ!』と思い、自分が何をしたいのか、何をなすべきなのかを死ぬまで探し続けたいと思います」


 隣で聖夜がクスッと笑った。

 やはり両親への手紙としては変な内容だったか、とくじけそうになったが、ここまで来たら最後まで読むしかない。また大きく息を吸い込んで手紙の締めくくりを読み上げる。


「こんなふうに思えるようになったのも、お父さんお母さんをはじめ周囲の人たちがこんな未熟な私を支えて、温かく見守ってくれたおかげです。そしていつも包み込むような大きな愛情で接してくれる聖夜さんのおかげです。これからは聖夜さんと二人で、楽しいときも辛いときも一緒に手を携えてしっかりと人生を歩んで行きたいと思います。この先もたくさんの心配や迷惑を掛けることと思いますが、どうぞ宜しくお願いいたします」


 目を上げずに手紙を折り畳み、そのまま深々と礼をした。大きな拍手をもらい、頭を下げたまま安堵する。しばらくして身体を起こすと聖夜が左の手を差し出してきた。その手を繋ぐと更に拍手が大きくなったので、二人揃ってもう一度頭を下げる。

 続いて両親への花束贈呈となり、香夏子はドキドキしながら両親の前へ進み、聖夜の母へと花束を渡すと、突然抱きつかれた。


「これからも聖夜をよろしくね!」

「はい」


 それから今度は聖夜の父の胸にブートニアを飾る。

「手紙、感動したよ」

「あ、ありがとうございます」

 背の高い聖夜の父は香夏子のために少し屈んで、声を掛けてくれた。

 その後、聖夜の父が挨拶をし、無事にお開きとなった。



 永遠の愛を誓うスローな曲に合わせて退場すると、聖夜と香夏子は列席者見送りのために出口で並んで立っていた。横には両親が立ち、更にウェルカムボードの横には先ほど香夏子が着ていたウェディングドレスが宣伝も兼ねて飾られている。

 先に両家の親戚が帰り支度を済ませ続々と退場し始めた。

 それが一段落すると今度は友人たちが名残を惜しみながら退場する。

「ちょっと、もう……ホントにいいお式でした!」

 最後の最後に出てきた湊は香夏子の手を握り締め、いきなり号泣し始めた。

「泣かないでよ」

「だって私、感動しちゃって……。今日は呼んでくれてありがとう」

「こちらこそ来てくれてありがとうね。余興ありがとう」

「いやぁ、照れるなぁ」

 頭を掻きながら高山が割り込んできた。湊はハンカチで涙を拭きながら苦笑する。

「ごめん。事前に相談したかったんだけど、時間がなくてさ。やりすぎだったよね」

「そんなことないよ。おかげで盛り上がったから感謝してます」

 聖夜が慰めるように言った。高山は少しだけ神妙な顔で頷く。それからウェディングドレスを指差して大きな声を上げた。

「あっ! これが噂の聖夜さんがプレゼントしたというドレスですよね?」

「そうですよ」

 密かに後ろで控えていたドレスデザイナーの本田が答える。

「いやぁ、それにしてもこれ以上のサプライズはないですよね。僕もプロポーズするときに使わせてもらおうかな。あ、でも断られたら最悪ですよね!」

 高山の言葉にギャハハと湊が笑う。本田はその様子を目を細めて見ながら言った。

「私も一応心配だから『断られたらどうするの』って聞いたのよ。そしたら彼、なんて言ったと思う?」

 香夏子は聖夜を見上げる。

 聖夜ははにかみながらうつむいた。


「カナが誰を選んでも、カナにドレスをプレゼントしたい」


 答えたのは聖夜でも本田でもない。

 聖夜は顔を上げて、そう言った相手を見る。


「聖夜は本当にバカだ」


 目の前でそう言われても、今日の聖夜は穏やかに笑っていた。


「バカにはバカにしかできないことがあるんだよ」

「なるほど。俺にはとても真似できない」


 それを聞いてクスッと笑った聖夜は「当然でしょ」と得意げに言う。それから香夏子の腰に手を回して自分のほうへ引き寄せた。


「カナは俺の全てだから」


 言い終わると同時に香夏子に口づける。急なことに驚いて目を大きく開いた香夏子は、同じく目を開けたままの聖夜の瞳に悪戯っぽい光を見た。

(……え?)

 怪しく思った途端、聖夜は目を閉じ舌で香夏子の唇をこじ開けた。


(……ちょっと、お父さんもお母さんも……みんな見てる……のに……)


 少しの間、聖夜から離れようと抵抗を試みたが、口付けが深くなるにつれて頭の中が白く霞み、人が見ていることなどどうでもよくなる。それにチャペルでもみんなの前でキスしたのだから、今更恥ずかしがる必要はないような気分にもなってきた。

 ヒューヒューと冷やかす声が至近距離から起こり、ようやく香夏子は解放された。

「いやぁ、聖夜さんってもっとクールな人なのかと思ってましたが、意外でした! 先生も聖夜さんを見習って積極的に行かなきゃダメですよ!」

 高山は秀司の胸を手の甲で軽く叩く。

「俺は礼儀をわきまえた常識のある日本人なんだ。公衆の面前でキスなんかできるか」

「秀司のどこに常識があるって?」

 聖夜が会話に割り込んだ。香夏子は会場係たちが遠巻きに苦笑しながら様子を窺っているのを見て、慌てて遮る。

「ちょ、ちょっと待った! えっと、続きは二次会でお願いします」

「やだー! もしかしてこの中で一番常識あるのは香夏子だったりして。ギャハハ!」


「そんなわけない」


 聖夜と秀司がほぼ同時に言う。

「さすが幼馴染。ハモってる!」

 湊は腹を捩ってこれ以上ないほど可笑しいというように、涙を流しながら笑った。

 両家の両親たちも真ん中で憤慨している香夏子の顔を見て大いに笑う。


(もう! なんでこうなるのよ!)


 そう思いながら香夏子は一人ひとりの顔を見回した。

 誰もが気持ちの良い笑顔で香夏子を見つめ返してくれる。


 こんないい日が今までにあっただろうか――。


 新しい家族と変わらない友人たちに囲まれて、それぞれから祝福やエールを受け、そして隣には……穏やかな笑みを浮かべた最愛の人がいる。

 この先いつも楽しく幸せな毎日ばかりが続くわけではないだろう。だが、たとえ辛いことがあってもきっと聖夜がいてくれれば大丈夫だと思う。

(まぁ、まだよくわかんないところもあるんだけどね)

 湊や秀司を送り出し控え室へと向かう途中で、確かめるように聖夜を見上げると、聖夜は不思議そうに首を傾げた。

「ん?」

「いや……」

 だが、そのほうがいいと香夏子は思った。

(だってよくわからないから、この先も聖夜のことを観察したり考える楽しみがあるからね)

 香夏子はひとりほくそ笑む。ますます隣の聖夜は不思議がった。

「ひとりでニヤニヤして怖いよ。思い出し笑い?」

「違うもん! 幸せだからニコニコしてるの!」

「ふーん。やらしいなぁ……」

「だから、思い出し笑いじゃないってば!」

 聖夜の腕を大きく振りかぶって叩くふりをした。聖夜もわざと痛そうなふりをする。

「でも楽しかった」

「うん」

 式と宴が終わった今、思い返せば夢のような幸せな時間はあっという間だった。できるなら、もっともっとこの幸せな気分に浸っていたい。


「結婚式、もう一回したいなぁ」

「え!?」


 聖夜は香夏子を非難の目つきで眺める。

「だってこんなドレスを着る機会、他にある? やっぱりお姫様ドレスは最高! もう病みつきになっちゃいそう」

「俺は遠慮するよ。今日の一回で十分満足した」

「えー……。聖夜ともう一回したい」

 隣で聖夜が派手に吹き出した。そして香夏子の耳元で囁く。


「それ、後で二人きりのときにもう一回言ってよ」


「もうっ! どっちがやらしいのよ!」


 聖夜はクスクス笑いながら小走りで香夏子の前に出る。まるで竹馬に乗っているようなぎこちない歩き方しかできない香夏子は、腕を振り上げたが聖夜の背中に追いつくのは無理だ。それでもドレスの裾を持ち上げるようにして駆け出そうとした。

 その瞬間――


「あっ……!」


 気がつくと聖夜の腕に抱きとめられていた。

「ごめん。足、大丈夫? ゆっくり歩こう」

「うん」

 しかし、香夏子は立ち上がらずに聖夜の腕につかまったまま、彼の顔をじっと見つめる。

「痛い? 捻った?」

 心配した聖夜は香夏子の足元に膝をついた。

 慌てて香夏子は首を横に振る。


「そうじゃなくて……さっき秀司が言ったこと、当たってた?」


 聖夜は動きを止めて、香夏子と視線を合わせた。香夏子の足を案じていた表情が、次第に柔らかく緩み、口角が笑みの形にきゅっと上がる。その様子を間近でじっと見つめていた香夏子の心臓はドキッと跳ねた。


「それは、秘密」


「えーーー!」


 香夏子の手を取って立ち上がった聖夜は、今度はゆっくりと歩き始めた。

「ま、俺はカナと違って物事をポジティブに考えるようにしてるから、いろいろあってもカナは俺のものになるって信じてたよ」

「考え方がネガティブで悪かったわね」

 もしかすると聖夜の自信家っぷりは秀司の上を行くかもしれない、と思いながら恨めしい目つきで見上げると、聖夜は愛想よく笑って見せた。


「でも結婚してハッピーエンド、じゃなくて……これからも二人で一緒に幸せを探していこうよ」

「うん」


 お互い確かめ合うように握った手に力を込める。

 ドレスを脱いでも香夏子の人生の主役は、香夏子しかいない。この人生を輝かせることができるのは自分自身だけなのだ。


(求めよ、さらば与えられん――か)


 気がつかないだけで、幸せは案外近くにあるものなのかもしれない。だが、それに気がつく努力をしなければ見過ごしてしまうこともあるだろう。幸せがいつも同じ色や同じ形をしているとは限らないのだから――。


 すぐそばで、新しい顔をした幸せが香夏子を待っているような予感がする。


 だから、勇気を出して新しい道に一歩踏み出そうと思う。

 まだ出会ったことのない幸せを見つけに、聖夜と二人で……。



〈 HAPPY WEDDING END 〉


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