食い違い 4
「この教室に、例の子を待たせてますので・・・」
とある教室の前に、俺と校長は立っていた。
十分にミーティングを済ませた俺達は、対象であるモンスターを討伐する為に、
ソレが待つ場所へとやって来たのだが・・・・、
扉を開く前だというのに、中からザワザワ人の声が聞こえる。
それは一人二人といった物ではなく、もっと大勢。
いつもなら、討伐する対象の生徒と、被害者生徒のみを待機させているというのに、どういう事だろう?
「あの・・・・、中に誰か居るんですか?」
気になり、尋ねてみると、
「えぇ、一応クラス全員を残しておきました」
校長は笑みを浮かべながら、シラっと答えた。
え?何言ってるんだ、こいつ。
普通、関係のない生徒は席を外させるか、休ませるだろ。
「はっ?」
思わず、声が出てしまう。
「え・・・・あの・・・、クラス全員居させたら、マズかったでしょうか?」
薄ら笑いを浮かべながら、俺の顔を見ている校長。
マズかったでしょうか?って。
どう考えてもマズイだろう。
何の罪のない人達の目の前で、モンスターとはいえ人間の形をした物を殺す事に抵抗がある。
それに、好き嫌いを抜いたとしても、毎日顔を合わせていたクラスメイトが目の前で殺される所を、見なくてはならない生徒達の精神面が気になる所。
確実にトラウマとして、脳裏に焼きつくだろう。
そんな事、こちらが言わなくても、教育者ならわかるはずなのに・・・・。
ハッとある考えが脳裏に浮かぶ。
もしかして、これは陰謀なのではないだろうか?
わざとこういう状況を作り、俺を困らせ、その隙を狙い殺そうとしている?
現に校長は先ほどから、ずっと顔をニヤつかせたままだ。
人は何かを企んだり、考えたりしなければ、ニヤつくことなんてないだろう。
いや、違うか?
もしかして中にモンスターを待たせてると俺に嘘を吹き込み、ドアを開けた瞬間に中で武装した奴ら全員で襲おうとしているんじゃ?!
コロサレル。
急激に心拍数が上がった。
「顔色が悪い・・・・大丈夫で・・・」
そう言い、校長が俺の肩に手をポンっと置いた瞬間。
コロサレル。
脳裏にその5文字の言葉が浮かび上がった。
校長にコロサレル。
何の力もない素人にコロサレル。
今まで俺から生きる場所を奪った、あいつらにコロサレル。
ミカと同じように・・・・・。
無残に、打ちのめされる。
・・・・。
・・・・。
・・・・。
そんなの嫌だ!!!
「触るなぁっ!」
気がつけば俺は、漆黒の翼を召喚させると、剣で校長の首を跳ねていた。
スローモーションのように、さっきまで歩き喋っていた校長の身体と首がパラリと離れると、血を吹き上げながら、地面へと崩れおちていく。
ドサッ。
さっきまで動いていた者が、物と化した音が静かな廊下に響く。
「はぁ・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
その光景を、俺は必死に息を整えながら眺めていた。
人間という生き物は、どうしてこうもモロイのだろう。
一歩遅ければ、俺がこうなっていた。
そう考えると、背筋がぞっとする。
「どうしたんですか?」
廊下から叫び声と物音が聞こえたのだろう、教室の中から驚いた顔をした教師らしき男性が扉からひょっこり顔を出す。
マズイ。
ここで起った事がバレてしまう。
咄嗟の行動で、校長の事は殺してしまったけれど、教室の中に居る人達の事を殺すつもりはなかった。
この学校のモンスターは校長という事にして、片付けてしまおう・・・そう考えていたにも関わらず想定外の男性の登場に、
心臓が再びドクドクと早く波打つのが自分でもよくわかる。。
「いや、何も・・・」
言い訳をしてやり過ごすにも、目の前には変わり果てた校長の姿がある。
それを見て、何も起っていないと言った所で、信じるはずはない。
それはわかっていたんだけど・・・・、
「どうしたんですか?!まさか・・・アンタが・・・・」
驚いた顔をしたかと思えば、すぐに冷たい目でこちらを睨みつける男性。
その反抗的な姿に、無償に腹が立った。
俺を誰だと思っているんだ?!
この国から、邪魔なモンスターを排除し、平和な世界にしようとしている俺に対して、そんな反抗的な態度を取るなんて許せない!
いっきに怒りスイッチが入る。
コロシテヤル。
6つの文字で頭の中がいっぱいになった。
俺は女王様から、直々に命を受けてココで討伐という作業をしているんだ。
俺は何も悪くない。
にも関わらず、俺の事を殺そうとするなんて、何を考えているんだ?
俺を誰だと思っている?
将来、英雄になる男だぞ!
反逆者だ。
俺の命を狙う 物 全て、モンスターであり反逆者だ!
ヤられる前に、ヤらないと!
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