死ぬと生きる 15

「も~!!!!なんなのよ!!!」


また思い出したくもない夢を見た。


なんなの?

ここに戻ってきてから、思い出すのは嫌な過去ばかり。

楽しい思い出なんて、1つも夢に出てこないじゃない!


イライラする。

鬱憤を晴らそうと、頭の下にあった枕を手に持つと、壁へ思いっきり投げつける。

飛んでいった枕は、壁にぶちあたると、ボンっと音を立てて床へと落ちた。

気分が晴れるかと思ったけれど、余計にモヤモヤするばかり。



今日は十分な位、人を殺したから、もうヤる必要はないんだけど。

でも仕方がない。

気分が晴れないから。

ヤるしかない。



制服に着替えると、ホテルの外へ出た。

頭の中を支配する、憂鬱な気分が消えるまで、ただひたすら人を狩る。

人?・・・違う。

あれは人じゃない。

アタシの気分を晴らす為の、オモチャ 道具 よ。



1時間程、無差別に人を狩ると、憂鬱な気分は何処かへ消えていった。

いつものように遺体を放置したまま、ホテルへと戻る。

フロントの人間は、一瞬ビクっとしたけど、慣れたのだろうか?

特にこちらをチラっと見る事もなく、エレベーターに乗り込む。



・・・・さて、今回も無事にベッドに潜れますように。


強烈な睡魔にビビリながら、血でベタベタになった身体をシャワーで洗い流した。

早く洗っちゃわないと!

シャワーの途中で寝落ちなんてしたら、大変だわ!

そんなハラハラした気持ちとは裏腹に、無事にシャワーを浴び終え、浴室を後にした。


・・・・途中で眠らなかった!今日も綺麗な状態で眠れる!

些細な事だけど、今のアタシには嬉しい。



髪の毛をしっかり乾かさないまま、ベッドに横になる。

・・・・別にしっかり乾かさなくたって、構わないわ!

もう眠ちゃってもいいのよ!



しかし、いつも襲ってくる睡魔は、一向に来る気配がない。

・・・・どうしちゃったの?なんで、眠たくならないの?


頭はしっかり冴えたまま、ただ天井を見上げるしか出来ない。



結局、一睡もする事なく、朝を迎えた。


朝食を食べる為に、レストランへと入る。

一人分の食料をトレーに乗せると、テーブルがある方へ向かう。

すでに涼は着席し、朝食を食べていたが、会話したくなかったアタシは、少し離れた位置に座ろうとした。

すると、



「おはよう、ミカ。

そんな離れた位置に座らず、どうせなら一緒に食べないか?

任務を別々にしている事だし、近状報告でもしながらさ・・・」


いつの根暗な涼が、微笑んでこちらを見てる。

キモチワルイ・・。


どういう事?

何かの策略?

まさか、討伐する人数以上に人を殺した事がバレた?


本当なら、一緒に食べるなんて嫌。

会話もしたくない!・・・・所なんだけど、アタシには後ろめたい事がある。

ソレは別に、アタシが悪いんじゃなく、諸悪の根源は真鍋と女王にあるんだけど・・・。

誘いを断り、変に疑われるのも嫌だ。



「えぇ、いいわよ・・・・」


顔を引きつらせながら、無理やり笑顔を作ると、涼の目の前へと着席した。

自らボロを出すのは嫌だから、こちらからは会話を振らない。



「どう、討伐は順調?」


何かを探られているのだろうか?

涼は相変らず、微笑みを浮かべながら、こちらを見ている。



「えぇ・・・・、頑張ってる」


「何だよ、頑張ってる って」


アタシの返答を聞き、笑い出す。

根暗男が、朝から爽やかに笑い出した所で、キモイには変わらない。



「頑張ってるって、そのままの意味!だって、アタシは・・・頑張らなくちゃ・・・その・・・」


頑張ってるって意味を、おかしな方に取られたくなくて、必死に弁解しようとしたけれど、良い言葉が思いつかない。


どうしたら、上手く誤魔化せる?

係員なら軽く騙す事が出来たけど、こいつは何を考えているか?わからない。

だから、ヘタに言い訳すると墓穴を掘る可能性がある。

でも、何かを言い返さなくちゃいけないんだけど、言葉が詰るばかりだ。



すると突然。

今までニコニコしていた涼の顔が、真顔に戻る。



「係員からも聞いてるよ。お前の姿勢は」


表情と口から出た言葉に、ゾクっと寒気が走った。

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