死ぬと生きる 6

「死んだって何?事故とか?車に轢かれちゃったとか!」


担任が出て行った後、アタシの席に集合。


「あいつどんくさかったじゃん!有り得るよね~アハハ~」


死因を事故だと思いたい。

いや、クラスの奴らにそう思わせる為に、何度も事故というフレーズを、わざと大きな声で話した。


「有り得なくない?車に轢かれるって、どんだけ運が悪いんだよ!本当、アイツってついてないよね~」


そして笑いあう。

強がりたかったの。

怖かったから。


何に?

アタシ達は怯えていた?

いや、考えたくもない。

アタシ達は、何も悪い事はしていない!

そうでしょ?クラスの奴等だって、アタシ達が原因とは思ってないから、反論してこないんでしょ?



「アハハハハ~・・・・ハ・・・・」


しかし、笑い声もずっとは続かず、次第に途切れ沈黙が訪れる。

マイもミキも、眉間に皺を寄せ、難しい顔をしていた。

もしかしたら、泣くのを我慢していたのかもしれない。


やだ・・・・、笑ってよ・・・・。

そんな顔したら、まるでサナエが死んだ原因が、うちらみたいじゃない。




笑い声が途切れ、沈黙が訪れたわずか数秒の間。



「・・・・自殺に決まってるじゃん。現実を見ろよ」



男の声が聞こえてきた。

その言葉に、全身に鳥肌が立つ。



自殺?現実・・・・?

やめて!!!アタシのせいじゃない!!!




ガタっと勢いよく椅子から立ち上がると、教室全体を見渡す。



「誰?今余計な事言った奴は!名乗り出なさいよ!」


怒鳴るが、全員下を向いたまま、誰も目をあわそうとはしない。

許せない!

アタシはこの教室の中でも、最上クラスの人間なのよ!

そのアタシに、口答えするなんて!



「はぁっ!」


大きなため息を1つつくと、椅子に座る。

すると、一瞬亮と目が合った気がした。

軽蔑してるような、まるで見下した目つき。

亮がそんな表情をしたなんて、今まで見た事がない。

背中にゾクっと、寒気が走った。


この日は特に何事もなかった。

もしかしたら、サナエの死について、担任に呼び出されたりするのかな?なんてドキドキしていたけど、

そんな事もなく、他の教師達も、アタシ達に対する対応はいつもと同じ。


遺書が見つかっていないとか?

本当にサナエが死んだのは事故死だったとか?

教師の言葉なんて上の空で、アタシの頭の中では色んな憶測が飛ぶ。



毎度休み時間のたびに、うちら3人は集合して、大きな声で喋った。



「昨日のドラマは面白かった」


「やっぱ、○○ってイケメンだよね~」


不思議とサナエの話題なんて1つも出ない。

いや、むしろうちらはわざと避けていた。



「・・・・自殺に決まってるじゃん。現実を見ろよ」

あの言葉をまた言われたくなかったから。



他の奴等は皆無言。

もしくは虚ろな表情をしている。

流石格下ね、身分をわかってるんじゃない。

休み時間とはいえ、上流階級のうちらが居る時は、勝手に喋る事は許さないわよ!



・・

・・・

・・・・

・・・・いや、違う。

皆きっとサナエの事を考えてる。

最後はクラス全体から、ハブられていたから、だから皆責任を感じてるんだ。

そうに違いない。


・・・そうよ。

皆が悪いんじゃない。

うちらは別に、「サナエの事をハブにしろ」なんて命令してない。

勝手にあいつらが、避けだしただけ。

それにうちらが、サナエの物を隠したり、捨てたりした証拠は何処にも無い。

うちらがサナエを苛めた事を、立証なんて出来ないはず!


いやむしろ、サナエが死んだはクラスの奴ら、全員のせいなのよ。

うちらだけが悪いんじゃない!

そうでしょ?



また亮と目が合う。

いや、違う。

さっきからずっと亮はアタシの事を見ていた。

知っていたアタシは、目が合わないよう、無理やり逸らしていただけ。


虚ろな目。

なんで、そんな目でアタシの事を見るの?

元カレと元カノの仲だったアタシを、そんな目で見下ろすの?

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