第104話人とモンスター 3
「・・・うっ・・・・ひぃっ・・・・・」
先生は嗚咽をしながら、泣き続ける。
どうしちゃったんだよ。
何故、泣いてるんだ?
もしかして、今の俺に同情してる・・・・・・?
「違う!・・・そんなんじゃない!
今の俺は、昔の俺とは違う!
弱くて、無力で何も出来なかった俺とは違うんだ!」
必死に先生に訴えかけても、
「ごめんなさい・・・・。こうなってしまったのも、私のせいなのね・・・・・」
謝り、泣き止もうとはしない。
「俺は英雄になるんだ!
モンスターから世界を救うんだ!
心優しい人たちが、安心して暮らせる世界を・・・・作るんだ!」
そうだろう?
俺は英雄になる人間なんだ!
国民達から、尊敬され感謝される存在なのに・・・・。
「ごめんなさい・・・・。許して・・・・・」
・・・やめろよ・・・・。
謝るなよ。
それじゃあ、まるで・・・・。
今の俺が、最低な奴みたいじゃねぇか。
違う。
俺は、そんな奴じゃない。
・・・・。
・・・・。
・・・・。
・・・・。
・・・・そっか。
きっとこいつは、もう手遅れなんだ。
脳が犯されてしまってる。
良心を取り戻す事なんて、もう不可能。
さっきから、必死に謝っているのも、俺の心をかき乱そうとしているだけ。
少し知恵がついた、厄介な新種のモンスターなんだ。
モンスターは死ねよ。
一心腐乱に、机の下で泣き崩れるモンスターに剣を突き刺す。
「あっ!・・・やめて!・・・・ほ、っじょう・・・・くっ・・・・・」
なんか言ってたけど、無視。
また俺の心をかき乱そうとしているだけかも知れないし。
これからは、モンスターの言葉に耳を貸すなんて愚かな事、止めるべきかもしれない。
対象が動かなくなるのを確認すると、剣を突き刺すのをやめた。
ゴミもココに捨てておくか。
左手に持っていた 物 を、モンスターの死骸付近に投げ捨てる。
「・・・・静かだな・・・・。ココがこんなに静かな場所だなんて、知らなかった」
俺がココに毎日通っている頃は、いつもが生徒達の騒ぎ声が絶えず、
常に、自分へ飛んでくる罵声を聞きたくなくて、ビクビクしていた。
こんなに静かで、落ち着ける場所なら、毎日通うのも苦痛ではなかったのに。
さあ、戻ろう。
皆の所へ。
モンスターの討伐は終わった。
忌々しい過去も、全て切り捨てる事が出来たんだ。
ゆっくり、皆が待っている校庭へと歩き始める。
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