第82話改革 3
「これより、国民の皆様のすぐ近くに、監視員を忍ばせました。
彼らが 悪しき心の持ち主 を見つけると、私達が用意した死刑執行人達に連絡が行くようになっています。
そして、彼らの手により、 悪しき心の持ち主達 は、数日の間にこの世界から消えてなくなる事になるでしょう」
そういい終わると、女王様はモニターの外へと歩いていった。
恐らく、まだ話は続くのだろうけれどー・・・・・。
「何が、悪しき心の持ち主 だよ。
この国で一番、悪しき心を持っているのは 女王 そのものだっていうのに」
・・・言うと思った。
ハヤトみたいな人たちは、必死に女王様をバッシングするんだろうな。
自分達の身が危なくなるから。
しかし、今まで他者に蔑まされ、生きる場所が見つからないまま、必死で生きてきた俺達にしてみたら、
この法律が出来た事は、朗報だ。
しばらくした後、モニターには女王様と とある人物 が映し出された。
ガタガタと身体を震わせ、真っ青な顔色をした、俺達がよく知る人物。
「ミカだ・・・・。ミカが、どうしてモニターに映っているんだ?!」
モニターに映し出されたのは、ミカだった。
どうして、あんなに震えているのだろう。
不思議に思った。
「この子は、私が作り出した死刑執行人の一人であるミカです。
この子の他にも、後3人います。
まだ4人しか居ないけれど、少しずつ人数を増やしていくつもりです。
この子達が、悪しき心を持つ者達を処刑してくれるでしょう。
心優しき皆様を救う、救世主なのです」
救世主と紹介されたにも関わらず、ミカは相変らず視線を下に向けたまま震えている。
その異様な光景に、
「ミカ、どうしたのかしら?」
マリアがポツリと口を開いた。
「しかし、この子は今のままでは救世主にはなれないのです。
それは何故か? 懺悔しなくてはいけない事があるから。
この子は大罪を犯しました。
その罪を、償わなくてはなりません。
ミカ、さぁ懺悔しなさい。貴女の罪を」
そう言うと、女王様はミカをマイクの前へ歩くように促した。
しかし、ミカは相変らず首を左右に振り震えたまま、その場から歩こうとはしない。
「何をしているの?早く行きなさい」
再三女王様が、マイクの前まで歩くように指示するが、相変らずミカは怯えたまま、歩こうとはしなかった。
どうしたのだろう?
そこまで拒否するなんて、何か理由があるのだろうか?
そんなミカの態度に、しびれを切らした女王様が、ミカの耳元で何かを囁く。
すると、目を大きく見開き、驚いた顔をした後、ミカはゆっくりとマイクの前へと歩いていった。
「さぁ、懺悔しなさい。許される事がない貴女の罪を」
女王様は力強い目で、ミカを見つめている。
しかし、ミカはマイクの前で怯えたまま、何も話す事が出来ない。
女王様は、大きくため息をつくと、
「そう・・・・・、貴女って本当に使えない子ね。
自分で懺悔し、罪を償いないのなら、私が裁いてあげるわ」
ゆっくりと、マイクの前に居るミカの元へと歩いて行った。
それは、あっという間の出来事でー・・・・。
「嫌よ!!!ごめんなさい!!!謝るからぁああああああ!!!!」
叫び、モニターの外へと走っていくミカ。
「早く捕まえて!逃げるなんて、許さないから!」
今まで聞いたことが無い、太い声で、モニターの外に居る人間に指示を出す女王様。
その表情には、清々しいあの笑顔はない。
狂気に満ち溢れていた。
あっという間に、黒いスーツの男2人に押さえつけられたミカが、再びモニターの中へと戻ってくる。
顔は、涙と汗でグチャグチャだ。
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