孤影

”起動”


     ”実験機フランの記録:起動初日”


  ”本文”『うむ、ようやく起きたようだね』”改行”

『おはようございます、あなたがわたしの誤囚人さまですか?』”改行”

と、わたしはたずねました”改行”

『ああ、いやいや、私は君の制作者だよ』”改行”

『せいさくしゃ…?』”改行”

『ああ、そうか、まずはその概念から教えてやらないといけないのか、うーん困ったなあ』”改行”

と、目の前のせいさくしゃという方はうんうん唸っていました”改行”

『うん、これでいこう』”改行”

『(自主規制)と(自主規制)が(自主規制)してだね』”改行”

”検索”

『制作者様、それは、あなたのような”人間”が創られる時におこなわれる事の話です』”改行”

『おお、かしこい、かしこい』”改行”

『…』”改行”

『まあ、冗談はともかくだ、君はね、ある目的のために生まれたんだ』”改行”

『もくてき、ですか?』”改行”

『ああ、重要なね・・・』”本文おわり”


”起動終了”



ここは、タイムパトロールの本部

トン、トン

肩を叩かれると、エースは、すこしびっくりして、そちらを見た

彼の上司である課長が、秀麗な顔を哀しそうにして、こう語り出した

『彼女が、新しい君の相棒あいかただよ』

『こんな初顔合わせはどうかと思うんですがね

ところで、何の用なんですか?』

『今回見せた彼女の記憶メモリーにも関係あることなんだがね、どうやら、やつが動きだしたらしいんだ』

『やつというと『影なき怪盗(シャドウ・シ―フ)』と呼ばれる男ですか』

『ああ、そして彼女を作ったロボット工学者エンジニアでもある』

『で、そいつが、今回何をたくらんでるんです?』

『さて、何かはわからん

が、どこでかは、わかっている』

と、課長は、1枚の地図を出して、話を続ける

『いまだ未知の世界で、不安定な時空である』

『皆まで話さないでもわかりますよ』

と、エースはうんざりした顔をして言った

『不思議な世界(ワンダーランド)でしょ』

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