猫の王

退屈を喫した猫の王が口を開いた。


「誰ぞ、余の前で芸を見せてみよ」


 すると家臣の一匹が名乗りを挙げた。


「私めが、王を楽しまてみせましょう」


 しかし彼の芸はとてもつまらなく、気を損ねた王は彼の首を跳ねてしまった。


「誰ぞ、余を楽しませる者は居らぬか」


 皆が恐怖に震える中、側近の道化が声を挙げた。


「私めが、王を楽しませてみせましょう」


 彼の芸は確かに目を見張るものがあったが、如何せん、王は見飽きていたので首を跳ねてしまった。


それでも、王を楽しませようと声を挙げる者は後を絶たなかったが、王を満足させることはなく、皆首を跳ねられた。


 そうして、いつしか王の周りにはたくさんの首がごろごろと転がっていた。


「誰ぞ、余を退屈から救ってみよ」


そこにみずぼらしい格好の旅人がやって来た。


「私が王を退屈から救って差し上げましょう」


 彼はそう言うやいなや、纏った襤褸の下から凄まじい早さで剣を抜き、王の首を跳ねてしまった。


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