宣言

「シン、どうしよう。何も思いつかねぇよ」

「私も何も思いつかないよぉ〜」

「私はなんとなくですが決まりました。

「えぇー、涼香の裏切り者ぉ」

「まあ、自然に出てくるだろ」

「「でてこねーよ!・でてこないわよ!」


 あと10分。

 俺たちが意思を宣言する時刻までのタイムリミットだ。


「シンはなんか考えたのかよ」

「だから、自然に出てくるって」

「もういいや」


 流された。まあ、無駄なことに時間をかけるわけにはいかないからな


「みなさん準備お願いします」


 もう、出て行く時間だ。緊張は…解けるわけないか。


「みんな、よく聞いて」


 花奈がみんなを注目させた。


「みんな緊張してるね。でも、試合の時とかみんなすごくカッコよかったよ!だから、胸張って出て行っていいんだからね。さぁ、行くよ、みんな」


 張り詰めていた張り詰めていた空気が少し緩むのを感じた。

 こう言ったところは花奈には敵わない。


『皆さん、こちらが一代目SDの皆様です!!』


 壇上に出た時は、みんな緊張していたし、何故か出て行く前に舞の横に連れてこられて3人は動揺してた。けど、もう大丈夫そうだな。そして、意思を宣言する時がやって来た。


「それじゃ、煉、雫、涼香お願い」

「はい!」


「1年S組赤谷煉です。自分はまだ弱いです。この間勝てたのもシンのおかげでもあります。なので、これからもっと強くなってシンにも力を貸したい。そして自分の全力を持ってこの学校を守ります!!」

「一年S組黄崎雫です。私は剣術しか無くて魔術はあまり使えません。もっと精進して魔術も使えるようになりたい。いや、なります。それにみんなと笑っていたい。私もシンに力を貸してあげたい!こんな私ですがよろしくお願いします!」

「一年S組青矢涼香です。私は魔術に頼りっきりなので剣術も上手くなります。それに、みんなといると落ち着くんです。みんなに苦しい思いをさせたくない。私はみんなのために戦います。よろしくお願いします」


 拍手喝采。それもそうだ、もともと《No.ナンバー》というのは2、3年生だけのものだった。それが今回SD創立ということでお試しでやっただけなのだから。だから、4人も一年生が残るなんて思ってなかっただろうな。

ちらっと3人を見るとみんなこっちを見てた。そして、口パクで「「「よろしく」」」と言ってニッと、笑った。


 そして、自分の番が回ってきた。


『さあ、みなさん、一年生にして校内ランキング1位白夜舞さんに勝利した牙龍院シンさんです。』


 ちょっと過大評価してるな、この人たち。大きく深呼吸をする。


「自分は牙龍院の人間なんですけど、そーゆーのあんまり好きじゃないんで普通に接してもらえればなと思います。えー、俺は学校、そしてみなさんを守る立場に着きました。それは、みなさんの命がこの体と自分の剣にかかってるということです。」

「『7種のことわりの一端を持つものよ。この世を美しく彩れ。妖刀桜』」

「そして、俺は俺の力をみなさんを守るために使います。例えば、こんな風に」


「桜:白色はくしょく 破灰はかい


ドォォン…


 会場全体が凍りつく。無理もない。何者かがシンに向かって放った特大レーザーが他の誰でもないシンの手で、何より使止められたのだから。


「今の砲撃は俺の演出ではありません。そして、この学校の設備でさえも掻い潜った一撃でした。この人が集まるタイミングでの射撃。そして、この学校の情報はかなり厳重にロックがかかっているはずなので内通者がいるかもしれないですね」


 軽く深呼吸をする。そして、シンは宣言をする。


「俺は力を使います。それは自分のためでも無く、誰か特定の人のためでもない。他でもないみなさんの為に」


 会場が盛大に沸いた。会場の不安すら吹き飛ばすシンへの信頼。そして、終始シンの親指は何かを予言するようにうずいたままだった。






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