第15話 『例のプール』

「ご主人様。この『例のプール』って知ってます?」


A子はモニタに映る、天窓付き屋内プールを指す。


「えーと」

「何故畏まった口調」

「別に畏まってないから! てか何故これを!」

「暑いんで近いプールを探していたらこれが。

 で、ご主人様はどのDVDで観ました?」

「知ってて訊いてるだろ」

「はい」

「このムッツリ女め……。でも『例のプール』のネット検索すれば一発で拾って来るんだなコレ」

「いわゆる性地という奴ですね」

「……A子、俺には心なしか一文字漢字が違っているように聞こえるが」

「気のせいです。で、ご主人様はこのプールを最初にどんな水着物で観ました?」「だーかーらー(泣)」

「本当、印象深いプールだよな」

「女優のほうは残らないんですか」

「いや、だから……」


返答に窮するご主人様を見て、A子は困惑を浮かべる。


「……まさか男優のほうにっ?」

「違うわっ!」

「ですよねー」


そう言ってA子は机の下から競泳水着AVを取り出し、


「ご主人様は物を隠すのが下手です」

「うわーん」


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