• マイページ
  • 小説を探す
  • ネクスト
  • 書籍化作品
KADOKAWA Group
  • ログイン
  • 新規登録(無料)
書けないカエル

書けないカエル

s286

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★5
2人が評価しました
本文あり
日付が新しい順

本文ありのおすすめレビュー

  • 夷也荊
    1344件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    彼は井の中には、いなかった。

     蛙は両生類であるため、水と陸を生きる両義性を持つ生き物である。そして、この物語の主人公である蛙は、井の中にはいない。よって、様々な危険に遭遇する。鳥という空と陸の両義性を持つ動物。ナマズという主で、地震を起こすとされるもの。そんな蛙を守るのは、道祖神である。この道祖神も道の神であるため、どこかとどこかをつなぐ仲介者である。両義性はある意味で仲介者の性質を付与する。そのためこの蛙はあらゆる仲介を受ける。
     だからこの物語の題名は『書かないカエル』ではなく、『書けないカエル』なのである。
     短くも深いこの作品を、是非ご一読ください。

    • 2017年7月24日 23:58