第28話 堕天使3

俺たちは、堕天使のシル子を追い詰めた。しかし、シル子は悪魔サタンのサタ子に進化したのだった!?


「堕天使が悪魔になった!?」


俺は、悪魔に恐怖を感じた。


「真っ黒の全身タイツだ!」

「尻尾もついてる!」

「よく恥ずかしくないな?」

「こら! 好き勝手に言うな!」

「おおおおお! 天使ミカ子と悪魔サタ子の一大決戦だ!」


天使は、マイペースで盛り上がっている。


「こちらが恥ずかしくなってくるではないか。」

「照れてる! 照れてる! かわいい!」


悪魔のサタ子は、いろいろ指摘され照れていた。


「悪いが堕天使の時はビジュアル重視で抑えめだが、悪魔になった私は、手加減しないぞ!」

「こい! 私が相手してやる!」

「いくぞ!」


ミカ子は剣で、サタ子は槍で、何度も何度も打ち合う。


「チャンス。」


ガブ子は、光の魔法陣を描き、呪文を唱えようとしている。


「させるか!」


サタ子は気づいた。同じ手は2度通用しないのだ。闇の魔法陣を描き、呪文を唱える。


「サタン・カノン砲! 発射!」


ドカーンとガブ子に砲弾が撃ち込まれた。爆煙があがる。


「ガブ子!?」


煙が無くなってきた。煙の中から光のバリアが見える。ガブ子は、なんとか無事だった。


「危なかった。」


続いて、ウリ子が神の光と炎を打ち込もうと、光の魔法陣を描き、呪文を唱える。


「燃え尽きろ! 神の光と炎!」


サタ子も応戦する。闇の魔法陣を描き、呪文を唱える。


「サタン・ツインカノン砲! 発射!」


ドカーンと2発の砲弾が光と炎に命中する。大爆発を起こすのだが、サタ子にはダメージすら与えることができない。


「ラファ子の回復魔法が届きません・・・。」


ラファ子は、癒し系なので回復魔法しか使えない。


「天使も大したことがないな。この姿になる必要がなかったかな?」


サタ子は余裕だった。天使たちの攻撃を受けても、悪魔になったサタ子の前では、敵ではなかった。


「ハハハハハ! 誰かを忘れていないかい!」

「誰? 誰?」

「私だ! 天使ミカ子を忘れているぞ!」

「おまえが1番弱そうだ。」

「なんだと!?」


ミカ子は激高した。


「天使の中でも最強の私をバカにするな!」

「私も天使の頃は、天使の長だったぞ?」

「ええ!? 大先輩!?」

「その通りだ。」


ミカ子は、シル子が大先輩と聞いて、失礼なので剣を向けることができなかった。人質を取られると戦うことができなくなるなど、礼儀正し過ぎるのが、ミカ子の弱点である。


「そういえば、堕天使の姿は、天使のように美しかった。」

「私は、明けの明星と言われて、この世で1番美しいのよ。」

「はい! 大先輩!」

「ミカ子、あなた大先輩の仕事を邪魔するき?」

「いいえ! どうぞ、正義の使いさまをお持ち帰りください。」

「よろしい。」


ミカ子は、サタ子ことシル子に抵抗することができなかった。


「ミカ子、最低・・・。」

「ミカ子、いらねえ・・・。」

「ミカ子、ウザい・・・。」


天使たちは、ミカ子をウザがっていた。


「正義の使いさまは、もらっていくぞ。」

「ギャア!? 誰か助けて!」


サタ子にデビちゃんが連れていかれようとしていた。


「待て! 俺が相手だ!」


忘れ去られていた俺に、やっと出番が回ってきた。


つづく。





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