第17話 モグラ3

俺たちは、ついにモグラ洞窟に突入した。


「なんだこれは!?」

「お、俺の洞窟が!?」


洞窟の壁は、全て焼き尽くされていた。


「ウリ子が焼いたんだよ。」

「宇宙戦艦並みの火力とビームを持っているからな。」


壁は、焼きドーナツのように真っ黒に焼けていた。消え残っている残り火が、暗い洞窟を明るく照らしていた。


「ハハハ・・・。」


記憶喪失の俺は、天使の強さに呆れて笑うしかない。


「あなたも使おうと思えば、炎は使えますよ?」

「え? そうなの?」

「はい、地獄の炎ですけどね。へへへへへ。」

「デビちゃん怖い。」


地獄の炎は「あの方」の得意な呪文である。炎は炎でも、嫉妬の炎である。


「先にモグラたちが、避難している場所に行ってもいいですか?」

「いいよ。もしかしたら、ウリ子たちも向かってるんじゃないかな?」


俺たちは、モグラの避難先に向かうことになった。


「あれ?」


途中で分かれ道があった。焼けている道と焼けていない道があった。


「たぶん、焼けている道をウリ子たちが進んでいるだろう。」

「俺たちが避難しているのは、焼けてない道です。」

「キノコの細菌が残っている危険があるな。気を付けて進もう。」


救助を優先させて、モグラたちのために焼けていない道を進むことにした。


「ウギャ!?」


洞窟の奥から、悲鳴が聞こえた。


「この声は、ミカ子の声だ!?」

「何かあったのかな?」

「行ってみよう!」


俺たちは駆け足で奥を目指した。


「ああ!? これは!?」


果たして、俺たちが見たものとは!?


つづく。

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